岸田首相の発言、金融市場の最大のリスク化…海外投資マネーの日本離れを助長

首相官邸のHPより

「今や岸田文雄首相の発言は金融市場の大きなリスクと化しています」

 ある証券アナリストは、こうため息をつく。岸田首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げ、昨年10月の政権発足直後から自社株買い規制などに言及しているが、市場関係者から「経済オンチもいいところだ」と猛批判を浴びている。経済ブレーン不在の岸田政権の迷走で、国内外の投資家の日本離れがいっそう加速する懸念がある。

岸田首相「株主還元というかたちで成長の果実が海外に流出」と発言、日本のトップが海外マネー離れ加速促す

 岸田首相は21日の衆院予算委員会で企業収益の分配のあり方について「株主還元というかたちで成長の果実等が流出しているということについては、しっかりと受け止め、この現状について考えていくことは重要」と発言した。これは国民民主党の前原誠司氏が、海外投資家が株主還元というかたちで収益を受け取ることで「国富が海外に逃げているという認識はあるか」と質問したことに答えたものだが、物議を醸した。先の証券アナリストはこう懸念を示す。

「これは海外投資家からすれば、“日本市場にもう投資してくれなくていい”と日本のトップが公式に見解を示したと捉えかねない発言です。日本人の投資家が米国をはじめとした諸外国の株式をごくごく普通に購入し配当を受け取っているのに、その大前提が通用せず、海外投資家に自分たちの配当にだけ余分に課税されるのではと疑念を持たせてしまった。日本市場は欧米圏と商習慣も言語も違い、時差も為替リスクもあるため、ただでさえ微妙な市場と見られているのに、こんな独善的な姿勢ではますます海外マネーは日本から離れていくでしょうね」

岸田政権の「新しい資本主義」は金融市場叩き、共産主義的な発想

 岸田首相は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」の旗印の下、金融市場に対する規制強化の動きを強めている。自社株買い規制や金融所得課税強化に言及したほか、「企業が短期の利益を追い求める傾向を助長する」として、四半期開示の見直しの検討も進めようとしている。

 ただ、これらの方針は大した根拠もなく、株主を締め付ける以外に明確な目的があるようには思えない。その証拠に、四半期開示の見直しをめぐっては、18日の金融審議会作業部会では「短期主義を助長していない」との発言が相次ぎ、廃止に賛成する委員はゼロだった。筆者も企業が四半期に業績を開示することがなぜ短期利益の追求につながるのか、根拠がまったくわからない。自社株買い規制にしても、企業が自社所有の株式をどう使うかはその企業次第であり、政府がそれに介入すること自体、資本主義ではなくむしろ共産主義的な発想である。

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