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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

朝倉未来が罹患し注目の「不整脈」…誰にでも起こり得る?受診すべき症状は?

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

 格闘家・朝倉未来が心臓の異変を告白し、話題になっている。その症状について「心臓がなんか一瞬、苦しくなる瞬間があった」「1分間に9~10回も脈が飛ぶようになった」と説明し、さらには「格闘家引退」も頭によぎったと告白している。

 強いイメージの朝倉未来が、それほどまでに不安を感じた「不整脈」について、くぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師に聞いた。

「不整脈とは、脈のリズムが乱れる症状をいいます。心臓の病気が原因で起きる不整脈と、運動で脈が早くなる、心理的緊張からドキドキするといった生理的不整脈があります」(窪田医師)

 不整脈には、脈が遅くなる「徐脈」と、脈が速くなる「頻脈」があり、症状の程度もさまざまだ。

「徐脈は脈が50以下、頻脈は100以上が目安になります。40を切ると目眩やふらつきが起き、立っていることも困難となります。また、120を超える頻脈となると激しい動機や息切れ、胸の痛みなどが起き、失神することもあります。心室頻拍や心室細動など致死性不整脈と呼ばれる重篤なものもありますが、命に別状がない不整脈は健康な人にも起こります」(同)

 正常な心臓は1日約10万回、脈を打っているが、その脈のリズムに乱れが生じることもある。

「一度でも脈のリズムが乱れると不整脈ということになり、自分で気づかないうちに不整脈が起きているというケースは多くあります。そのような不整脈のほとんどは『期外収縮』と呼ばれるもので、今回の朝倉未来さんの症状も『期外収縮』の可能性が高いと思います」(同)

 期外収縮とは何か。

「正常で規則正しい脈に時々、速い脈が入り込むのが期外収縮です。朝倉さんが『心臓がなんか一瞬苦しくなる瞬間があって』と表現しているように、胸が押される感じや喉が詰まるような感覚が症状として現れることがあります」(同)

 期外収縮の多くは特に治療を必要とせず、経過観察で問題ないが、期外収縮の頻度や胸の苦しさが増す場合には、念のため検査を行うべきだろう。

「ホルター検査といって、携帯できる心電図を24時間付けて心拍のリズムを調べることで病的なものかどうかを判断できます。不整脈の不安がある方はホルター検査を受けることをお勧めします」(同)

 期外収縮の原因には、どのようなものがあるのか。

「期外収縮が起きる原因は、飲酒や寝不足など生活習慣の乱れやストレスなどさまざまで、30歳以上の方であれば誰でも起きることがあります。過度の飲酒や寝不足は避けていただくことが望ましいです。また、稀に睡眠時無呼吸症候群や甲状腺疾患などが期外収縮の原因となっていることもあるため、期外収縮の症状が続く場合、一度は医療機関を受診することをお勧めします」(同)

 春は新しい生活が始まり、ストレスや不安が生じやすい季節であり、期外収縮が起きやすい傾向にある。動悸や脈の速さを感じたら無理をせず、十分に体を休めてほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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