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10分550円…銀座の高額コインパーキングに駐車するのはどんな人なのか?1日調査

文=清談社
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「三井のリパーク 銀座6丁目 第4」のコインパーキング
「三井のリパーク 銀座6丁目 第4」のコインパーキング

 ここのところ、「コインパーキング駐車したら高額請求された」というツイートが話題になることが増えた。お笑い芸人のドランクドラゴン・鈴木拓が銀座のコインパーキングで2万1450円請求されたというツイートや、同じくお笑い芸人のチョコレートプラネット・長田庄平が赤坂のコインパーキングに約4時間駐車して1万800円を請求され、思わず画面を8度見したというツイートなどがバズった。

 都内のコインパーキングの相場は10分100~300円ほど。1時間で600~1800円くらいで収まるところがほとんだ。しかし、都内の一等地では料金が跳ね上がり、10分500円ほど、1時間で3000円超えとなり、数時間も停めればかなりの高額になってしまう。

 前述の芸人たちは仕事上の都合でやむなく駐車したようだが、そもそもこんな高いコインパーキングに停める人は、よほどのセレブか、料金が書いてある看板をよく見ていないのではないか。

 そこで、実際に高額パーキングに張り込み、どんな人たちが利用しているのかを定点観測してみた。

謎の黒服、ヤンチャ系中年男性…

 今回、調査場所に選んだのは「三井のリパーク 銀座6丁目 第4」だ。駐車可能台数は4台。最大料金の設定はなく、オールタイム10分550円とトップクラスの高額パーキングである。

 ここから3分も歩けばコリドー街に、中央通り側に向かえばGINZA SIXや三越銀座といった有名ビルが集まる銀座の中心エリアに行けるため、利便性は申し分ない立地といえる。

 調査を開始したのは4月上旬の日曜日。午前10時半に着くと、休日ながらも、街は早めのランチへと向かう家族連れやカップルの歩行者が目立っていた。

 この時点ではまだ駐車している車はなかったが、10分ほど待つと黒のアルファードが乗り込んできた。乗っていたのはカジュアルな黒スーツに身を包んだ男性2人組で、どことなく水商売の黒服といった出で立ち。車を降りると別々の方向に散っていき、13時前には2人とも帰ってきてパーキングを後にしたので、駐車時間は約130分、推定料金は7150円となる。

 続いて、11時半過ぎにパーキングを利用したのは、足立ナンバーの白のハイエース・スーパーGL。降りてきたのは、キャップをかぶったヤンチャそうな40代とおぼしき男性2人組。銀座のランチでも食べてきたようで、滞在時間は小1時間ほど。料金は3300円前後と思われる。

 他にも、ランチやちょっとした用事のためか、1時間以内の利用で済ませる車は数台見られた。近くには10分500円とやや値段が下がるパーキングがあり、付近の交詢社通りやみゆき通りにも300円で利用できる制限時間60分のパーキングメーターが複数台設置されている。しかし、そちらの駐車スペースは終日ほぼ満車。空くタイミングまで時間を潰すよりは、短時間で用を済ませると割り切って、空いている高めのパーキングを選ぶ方が効率的という判断なのだろう。

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調査した「三井のリパーク 銀座6丁目 第4」のコインパーキングの目の前にある交詢社通りのパーキングメーター

 同じく、ランチタイムに束の間のコインパーキング利用をしていたのは、土浦ナンバーのN-VANに乗った20代と思われる男女。いずれもジャージ姿で、手をつなぎながらスマホで道を確認し、歩いて3分ほどのラーメン店に入っていった。食事を終えて戻るまで、滞在時間は1時間弱。休みの日に茨城から東京にラーメンデートに来たようだったが、確かに小旅行的な感覚なら、コインパーキングの高さも“観光地値段”と割り切れるのかもしれない。

 昼時を過ぎてもパーキングの客足は絶えず、その後はショッピングに来たと思われる家族連れやカップルが乗るアウディやベンツ、BMWといった高級車が次々に駐車していった。ショッピングとなると、だいたい3~4時間は利用しており、推定料金は9900~1万3200円というところ。デパートには駐車場があり、買い物するならそちらの方がお得だが、休日ともなると入庫待ちの車列が連なり、とにかく時間がかかる。銀座ショッピングを気軽に楽しめる富裕層ともなれば何よりも時短が優先で、高額な駐車料金もあまり気にならないのかもしれない。

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昼から夕方にかけては満車になっている時間帯も

 夕方過ぎまでは満車が続いていたが、夜になって空き時間が多くなってきた。まだコロナ自粛の影響もあり、飲食店などが早めに閉まる影響もあってか、人の流れも少ない。19時になると、ブランドもので全身を固めた20代前半らしき男性2人が乗ってきたジープと、昼の12時過ぎからずっと駐車し続けている春日部ナンバーの小型トラックだけになった。

 この日の調査で最も滞在時間が長かったのが、このバンボディのトラックだ。社名の記載はなく、かなり年季の入った見た目だった。20時半を過ぎてもまったく運転手が帰ってくる気配がなく、駐車時間は少なくとも8時間以上、料金も2万6000円は超す計算だ。ダッシュボードの上にハサミやドライバーなどの工具がみられたため、近辺で作業している工事業者の車と思われる。おそらく経費で落ちるため長時間駐車を敢行しているのだろうが、下手すると駐車料金だけで職人の日当以上になってしまうのではないだろうか。

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この日、最も長く駐車していた小型トラック

 以上が、この日に見た銀座の高額コインパーキングの利用実態だ。午前10時半から20時半までの合計駐車台数は10台。ナンバーは足立や練馬が多く、トラックからアルファードなどのミニバン、ベンツやアウディといった高級車まで、幅広いランクの車が利用していた。

 気になったのは、このパーキングで現金払いをする場合、5千円札や1万円札といった高額紙幣が使用できないので、千円札を大量に用意しておく必要がある点だ。ほとんどの客はクレジットカードで払っていたようだが、なかには現金払いする人もいた。数万分の千円札を1枚1枚機械に通すのはかなり億劫そうに見えたので、利用する場合は注意が必要かもしれない。

 また、周囲を歩くと、パーキングスペースが設置されていない道沿いに堂々と路上駐車する車が散見された。しかも、ポルシェなどの高級車が2時間以上も平然と停まっており、富裕層といえどもコインパーキング代をケチる人もいるようで、当然ながらほめられたものではない。

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堂々と路駐する車も見られ、なかにはポルシェなどの高級車も

 高額コインパーキングを利用する人たちは車種も服装もさまざまだったが、最低限のモラルは持ち合わせているようだ。

(文=清談社)

清談社

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せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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