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深野康彦「あなたと家族と日本のための、お金の話」

定期預金がバカにできない!利息に100倍の差も…ボーナス時期がチャンス

文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー
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UI銀行のHPより

 日本でも物価が上昇していることから預貯金への風当たりが日に日に強くなっています。メガバンクの1年物定期預金金利は年0.002%。一方、2022年5月の消費者物価指数は対前年比2.5%(総合)の上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合は同0.8%の上昇で、定期預金に入れておいても購買力を低下させるだけだからです。加えて、岸田文雄首相が「インベスト・イン・岸田」というキャッチフレーズを掲げ、NISAの抜本的な拡充や国民の預貯金1090兆円を資産運用に向けるための新たな仕組みを創設すると述べたことも影響しているかもしれません。

 新たな仕組みはこれから議論される予定ですが、筆者の推測ではNISAの恒久化、つみたてNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の年間投資額増額あたりが拡充の内容と考えています。資産運用の制度拡充が行われれば、ますます定期預金の肩身は狭くなるでしょうが、定期預金を持つ重要性は変わることがないと思っています。

 定期預金を含めた現預金をある程度保有しているからこそ、株式市場の大幅な調整があっても株式や投資信託を売却することなくライフイベントをクリアできるからです。定期預金は長期で資産運用を行う際の保険的機能が、低金利下では求められているのです。

メガバンクの100倍の利息収入

 そんな定期預金、どこの金融機関に預けても一緒、つまり利息額は変わらないと思い、給与振込口座のある銀行の定期預金をそのまま使っている人も多いのではないでしょうか?

 しかし、金利を確認して銀行を選べば定期預金でも大きな差が付くのです。“数字のお遊び”と揶揄されそうですが、メガバンクの定期預金の100倍の利息収入を得ることも可能なのです。毎年7月前後は夏のボーナス時期で、ソニー銀行や住信SBIネット銀行などが「ボーナスキャンペーン」あるいは「特別金利」と称して8月頃まで好金利を提供してくれましたが、近年の金利水準はやや輝きを失っています。それでもメガバンクの定期預金と比較すると70倍前後の利息収入を得ることができるため、夏・冬の年2回行われるボーナスキャンペーンはチェックしておくべきでしょう。

 ボーナスキャンペーン以外でも日常的に好金利を提示しているのが、オリックス銀行とUI銀行です。UI銀行は聞き慣れない銀行ですが、22年に新しくスタートした東京きらぼしフィナンシャルグループの銀行になります。同行はすべての手続き(サービス)をスマートフォンを介して行います。定期預金の金利は

・1カ月・3カ月・6カ月物:年0.10%

・1年・2年・3年・5年物:年0.20%

となっています。

 オリックス銀行は「eダイレクト預金」と称して、

・6カ月物:年0.10%

・1年物:年0.15%

・2年物:年0.17%

・3年物:年0.22%

・5年物:年0.27%

・7年物:年0.30%

となっています(金利は22年6月下旬)。

 100万円を1年間預けた場合の利息額は、メガバンク:20円、UI銀行:2000円、オリックス銀行:1500円です。「たったそれだけの差……」と落胆するかもしれませんが、一手間かければだれでも簡単に定期預金で差を付けられることを示した次第です。好金利の銀行に預け替えるだけで物価の上昇をカバーすることはできませんが、少なくともほったらかしておくよりは手間暇かけた分くらいの見返りはあるはずです。

 余談ですが、UI銀行はスタートしたばかりなので好金利が継続するか断定はできませんが、オリックス銀行は概ね記載の金利前後をずっとキープしています。

(文=深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー)

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

深野康彦/ファイナンシャルリサーチ代表、ファイナンシャルプランナー

AFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士。クレジット会社勤務を3年間経て1989年4月に独立系FP会社に入社。1996年1月に独立し、現在、有限会社ファイナンシャルリサーチ代表。テレビ・ラジオ番組などの出演、各種セミナーなどを通じて、投資の啓蒙や家計管理の重要性を説いている。あらゆるマネー商品に精通し、わかりやすい解説に定評がある。

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