セブン、海苔なし「おにぎり」包装に海苔プリントで誤解も…弁当容器の透明化の真意

セブン-イレブン「炭火焼き室蘭風やきとりおむすび」(セブン&アイ・ホールディングスのHPより)

 大手コンビニエンスストアチェーン・セブン-イレブンが販売する「おにぎり」で、実際には海苔は使用されていないにもかかわらず、パッケージに海苔の絵柄がプリントされており、海苔が入っていると誤解して購入してしまったという報告がSNS上にあがっており、優良誤認ではないかという指摘がなされている。一方、弁当・総菜類の容器「底上げ」などがたびたび話題を呼んできたセブンは、一部弁当の容器を中身が透けて見えるタイプに変更するなど、セブンの容器・パッケージをめぐる動きが何かと注目されているようだ。そこで、セブンに見解を聞いた。

 原材料価格とエネルギーコストの高騰が続くなか、小売店の店頭に並ぶ食品も値上げが進行。2010年度と比較して食料全体の消費者物価指数が22年度は約2割上昇。帝国データバンク調査によれば、7月には3566品目の食品が値上げの予定。鶏卵の1パック当たりの平均単価はこの1年で3割上昇し、冷凍食品メーカーのイートアンドフーズは家庭用冷凍食品の8割弱を10月納品分から5〜20%値上げ。アサヒグループ食品は「はいはい」「ぐんぐん」など粉ミルクを9月納品分から7〜8%値上げ。サトウ食品は9月出荷分から「サトウの切り餅 パリッとスリット(400グラム)」を505円から558円に値上げ。日清食品は6月から「カップヌードル」を214円から236円に値上げ。ハウス食品グループ本社は6月から「バーモントカレー中辛 230g」を349円から394円へ値上げした(以上、税別)。

 こうした状況のなか、ここ数年、コンビニ各社の弁当・総菜類の値上がりは多くの消費者が実感しているところ。なかでもセブンはサイズが小さい割に価格が高めだといわれるが、たとえば「手巻おにぎり 醤油麹仕立て熟成紅すじこ」は205.20円(税込、以下同)、「たまごサンド」は302.40円、「ふんわりサンチュの旨塩チョレギサラダ」は334.80円、「炭火焼き牛カルビ弁当」は594円、「熟成肉のロースかつ丼」は626.40円、「かき揚げ自慢の二八そば」は518.40円、「ソーセージとベーコンのペペロンチーノ」は648円となっている(7月3日現在/価格は地域によって異なる)。コンビニ定番商品である「おにぎり」類でも200円超え、サンドイッチ類でも300円超え、弁当・麺類でも500~600円超えも珍しくない。

<海苔がついていると思って買ったらまさかのラッピング印刷>

 そのセブンが北海道の店舗で5月23日~6月5日に販売していた、おにぎり「炭火焼き室蘭風やきとりおむすび」「炭火焼き美唄風やきとりおむすび」について、実際には海苔を使用していないにもかかわらず、パッケージに海苔の画像がプリントされているとして、優良誤認に該当するのではないかという指摘も。一部SNS上では以下のような声が相次いでいる。

<海苔がついていると思って買ったらまさかのラッピング印刷>(原文ママ、以下同)

<これバナナジュース以上>

<一線超えてる>

<トリックアート>

 セブンといえば、過去には「中身多く見せ」がたびたび世間の関心の的になってきたことは事実だ。有名なネタとしてあげられるのが「容器の底上げ」だ。過去、お弁当やパスタ、麺類などの容器の中央部分が盛り上がっている容器への疑問がSNS上で沸いたことは一度や二度ではない。これについてセブンは2020年9月にニュースサイト「WEZZY」の取材に対し「昨今の環境課題であるプラスチックごみ削減の目的で容器素材を薄くしており、強度を保つための設計であると同時に、レンジ加熱の際に中心まで温まりやすい形状にしております」とコメント。純粋にエコの観点に基づく取り組みだと説明している。

 また、サンドイッチなどで陳列時にお客から見える前面に具材を寄せる「ハリボテ」が話題になったことも。21年の当サイト記事の検証では、確かにハムとレタスのサンドでは前方に片寄せされていたが、ファミリーマートとローソンの同類商品でも同様の事象が見られ、セブンのたまごサンドは全面にぎっしり具が詰められており、他社よりもお得感が強かった。

 ちなみにセブンのサンドイッチをめぐっては、昨年末から今年初めにかけて「ツナサンドにツナが入っていない」という報告がSNS上で相次いだが、今年2月の当サイト記事の検証では、確かにツナの量が著しく少ないことが確認されている。

 物議を醸したのが21年に販売されていた「練乳いちごミルク」だ。セブンはTwitter公式アカウントで「プルプル食感のタピオカと、ゴロッとしたいちご果肉のW食感が楽しめます」とPRしていたが、透明なプラスチック製のカップには帯状に「いちご」の果肉ピューレを表現する赤色の塗装が施され、さらにカップ底部にも果肉が沈殿しているかのような塗装がなされていた。これに「カップ詐欺」「優良誤認」だとの声が多数寄せられた。同類の事例としては、20年に発売された「sonnaバナナミルク」が、透明の容器の一部にバナナのピューレを視認させるかのようなプリントが施され、さまざまな指摘がなされたこともあった。

 このほか、21年には「塩むすび」の中身が空洞だという指摘が相次いだが、コンビニ他2社の同類商品でも空洞が見られ、やむを得ない製法上の都合が存在するとの見方も強かった。

<「石炭や鉄」をイメージした柄を使用しておりました>

 今回の「おにぎりの海苔」問題について、セブンに見解を聞いた。

<北海道地区で発売された該当商品は、北海道庁が進める「炭鉄港」という鉄鋼や炭鉱の町と連携して発売した商品です。本商品のパッケージは、そのコンセプトを伝えるため「石炭や鉄」をイメージした柄を使用しておりました。このたびお客様からいただいたご意見をもとに、再度パッケージの確認を実施すると共に今後の商品開発にて、より商品の特徴がわかりやすく伝わり、お客様に安心してご購入いただけるよう真摯に対応してまいります>

 前述のとおりセブンはここ最近、一部弁当の容器を中身が透けて見えるタイプに変更し始めているが、その理由についてセブンはいう。

<環境対応の一環で、容器本体や容器の製造工程などにおいて排出されるCO2の低減を目的に、23年5月下旬より全国のセブン‐イレブンにて、お弁当やお惣菜などで使用する容器を石油由来のインクや着色を削減したものに変更しております。
〈ご参考〉
「環境に配慮した容器」を全国のセブン‐イレブンに拡大
https://www.sej.co.jp/company/news_release/news/2023/202303291205.html >

 コンビニ業界最大手のセブンだけに、何かと「注目の的」にされてしまうのは仕方ないのかもしれない。

BusinessJournal編集部

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