ライブドア元幹部が語る、粉飾に仕立てられた(?)“事件”
熊谷 本当です。「(逮捕された)06年は、どっちかは買収しよう」と、前年末から雑談レベルで始めて、「ここの部門はライブドアが取って、ここはサムスンに売って」などと話していました。そして、投資銀行も含めて正式にキックオフミーティングを予定していたのが、強制捜査の翌日(1月17日)だったんですね。結局、やれなかったんですが。
――ニッポン放送買収の件では、日本中を揺るがせるほど世間のリアクションは大きかったですが、それは「想定内」だったのでしょうか?
熊谷 想定外ではないけど、想定以上でした。麻痺してましたよね、あのときは。一度、大きな案件の高揚感を覚えてしまうと、もっと新たな高揚感を得たくなるんですね。その連続だったじゃないですか。だから、どんどんディールも大きくなっちゃって。
(構成=北健一/ジャーナリスト)
●熊谷史人(くまがい・ふみと)
2002年に入社したライブドアで、04年、27歳で取締役に就任。ライブドアの資本政策やニッポン放送買収に携わり、06年2月、有価証券報告書の虚偽記載の容疑で東京地検特捜部に逮捕。07年6月、懲役1年執行猶予3年の判決が確定。現在は、コンサルタント業務の傍ら、「堀江貴文の早期仮釈放支援の会」を立ち上げ、署名を募っている。