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今のところ、どちらも日本で発症例は報告されていないが、格安航空会社(LCC)の普及で、海外旅行客数は増加傾向にあるだけに楽観視はできない。こうした国際化の波に、国はどういった対策を打っているのだろうか?
「今年の献血者数は推計約500万人で、献血可能人口は約6000万人です。昨年のワールドカップと16年のオリンピック開催により、中南米に4週間以上滞在する人は約1万人と試算しています。まだ献血をしていない人たちが献血に足を運んでくれるような環境整備を進めることが、血液不足の解消につながると考えています」(同)
厚労省は、献血者を掘り起こすために普及・啓発に努めると力を込めるものの、具体的な取り組みは示していない。献血が善意で成り立っている以上、啓発活動に力を入れても、それが献血者数の増加に結びつくかどうかは未知数だ。
世界保健機関(WHO)は、自国で使われる血液は自国内で賄うことを原則としている。不足しているからといって、血液を他国から輸入することはできない。あくまで、献血だけが血液を確保する手段となる。
少子高齢化が止まらない日本の“献血クライシス”が深刻化していくことは、間違いないだろう。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)
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