「B to B輸入」が最強のビジネスである理由…成功の3つのカギ
がんばって良い商品をつくっているのに、なかなか売れない。良いサービスを提供しているはずなのに、客が定着しない。
「がんばっているけれど利益が上がらない」という経営者や個人事業主の悩みは、今のビジネスの限界を示しているといえる。高度経済成長期の「つくった分だけ売れる」前提のビジネスモデルではなく、新たな仕組みをつくり上げないといけないのだ。
では、そのために必要なことは何か。ジェトロ認定貿易アドバイザー(現:AIBA認定貿易アドバイザー)の資格を持つ輸入ビジネスアドバイザーの大須賀祐氏は、著書『価格はアナタが決めなさい。』(集英社)で「価格を自分で決められる立場になる」という解を私たちに提案する。
連載第1回では、差別優位性を高めて自分で価格を決められる立場に立った企業・人物の事例を取り上げたが、彼らの戦略を実践するのは難しい。ましてや、成功までたどり着くには相当な時間がかかるだろう。
そこで、大須賀氏が取り上げるビジネスがB to B輸入ビジネスである。
大須賀流“B to B輸入ビジネス”の方法とは?
輸入ビジネスと聞くと、「規模が大きいのでは」「港で商品が止められたり入荷した商品がすべて壊れたりと、リスクが大きい」といった懸念点が思い浮かぶかもしれない。
しかし、大須賀氏はこのB to B輸入ビジネスを「方程式」にし、リスクを少なくする仕組みづくりを試みた。それが本書で説明されているのだ。
では、大須賀流“B to B輸入ビジネス”とはどういうものか? 簡単に言えば、「海外で仕入れた魅力的なモノやサービスを国内で高く売る」というシンプルなものだ。ただ、これだけでは大須賀氏のビジネスを理解したことにはならない。その中身をきちんと見ていこう。
1.海外の展示会で商品を見つける
輸入ビジネスは「海外から魅力的なモノを仕入れて、付加価値を高めて売る」というビジネスのため、まず魅力的な商品を仕入れることからスタートする。
では、どのように仕入れるのか? 海外の展示会をめぐるという方法を大須賀氏は提案する。インターネットで探すことのできる商品は、ほかの誰にでも見つけることが可能。一方、海外に赴き、自分の目で見て驚いたような商品は日本で唯一無二のオリジナル商品となり得る。いわば「トレジャーハント」だ。
海外の展示会ではメーカーなどの企業が一堂に会しており、新商品やサービスを展示したりデモンストレーションをしたりする。いろいろな商品を一度に見ることができ、なおかつその実用性を肌で体験することができる。さらに、その商品を扱う企業の担当者にも直接会うことができるという点で、優れた「発掘の場」といえるのだ。
2.独占販売権を取得する
続いては「独占販売権」だ。文字通り、「そのメーカーの商品を日本国内で独占的に販売する権利」である。
自分が見つけた商品は日本にはまだないため、それを日本で売れば自分だけの独自のブランドが持てるようになるかもしれない。つまり、オンリーワンの存在になることができるのだ。