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銀行再編に伴う基幹システムの争奪戦で、それまでに、富士通は東京三菱銀行、三井住友銀行を失ってきた。正確に書くと、富士通は三菱銀行と合併した旧東京銀行、三井住友となった旧さくら銀行のメインフレームを担っていた。ここでみずほ銀を失うと、UFJ銀行を含めた4大金融グループのすべてで敗北し、再起不能になる。ピンチに立たされた富士通は秋草直之社長(当時)が先頭に立って、すさまじいばかりの営業攻勢をかけた、といわれている。
銀行経営の根幹をなす基幹システムの採用だけは、行内の政治力学でなんとか富士通に決まった。この最初のボタンの掛け違いが大規模なシステム障害の伏線となった。
2回目は東日本大震災直後の11年3月15日。みずほ銀のシステム障害に始まり、窓口での振り込み、すべてのATMが停止するなど日を追って影響が広がっていった。この分野のシステムベンダーを担っていたのが富士通だったので、また富士通の過失かと白い目で見られたが、とんだ濡れ衣だった。
東日本大震災の義援金の振り込みが急増し、みずほ銀が想定していた量を大幅に上回ったことがトラブルの引き金となった。夜間にシステムを稼働させて集中処理するはずだったが時間内に完了できなかったことがトラブルの原因である。
みずほ銀のシステム統合は、これまで2回の大規模なトラブルを招いた。4社による次期システムの分担体制は、うまく機能するのだろうか。
諺にいう。2度あることは3度ある。
(文=編集部)
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