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不正会計を許さないはずの公認会計士や監査法人も同じで、前述のオリンパス本社には財務担当役員の個室と同じフロアにCPAルームと呼ばれる一室が設けてあり、新日本監査法人に籍を置く公認会計士が4~5人常駐していた。財務・経理担当者は日々ここを訪ねては会計処理に関する助言を受けており、会計の質を維持する仕組みは整っているはずだったのだ。
東芝やオリンパスのような問題が生じるたびに「社外取締役を置いても不祥事は起きた。やはりこの制度は必要ない」という否定の声があがるが、ここに根本的な勘違いがある。これは制度の欠陥ではなく、これを運用する人間、つまり日本企業の欠陥なのだ。
(文=山口義正/ジャーナリスト)
●山口義正
ジャーナリスト。日本公社債研究所(現格付投資情報センター)アナリスト、日本経済新聞記者などを経てフリージャーナリスト。オリンパスの損失隠しをスクープし、12年に雑誌ジャーナリズム大賞受賞。著書に『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)。
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