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SHOWROOM×シタテルが、アパレル業界の常識を破壊してしまった

構成=長井雄一朗

――インフルエンサーに、生計を立てる道が新たに生まれたといえますね。

鍛冶村 そうですね。他にスポーツ選手などにも使っていただきたいスキームです。たとえば、マイナースポーツはなかなかスポンサーがつきにくいのが現状です。大会に出場して上位に入賞しても、1回あたりに得られる賞金は少なく、資金繰りに困っている人もいます。自立した支援として、特定のスポーツ選手の世界観を映し出した服を制作し、支援者がそれを買うというスキームを我々が提供することも実現できると思っています。

 これまでは、洋服をブランドの権威の象徴として着ている方が多くいました。しかし今、共感や共鳴を表すツールとして、服の存在感が高まってきています。レオンくんのTシャツをもっとも多く購入した人の購入枚数は、なんと50枚に上りました。その方の購入動機の中には「私が一番支持している」ことを表明をしたい気持ちがあったのではと思います。

――ものづくりと小売りの方向性が変わっていくのでしょうか。

鍛冶村 個人が所属するコミュニティーの持つ“ストーリー”や“思い”が強くなる時代が来ています。配信者とファンの関係がより密接であればあるほど、さらにストーリーが生まれていくでしょう。そのなかで、配信者とファンが一体となって服の企画を検討するというのは、大きな意味があります。そのストーリーを具現化することに、服制作のプラットフォームを持つシタテルの存在意義があるのです。

 一方、SHOWROOMの生配信は、視聴者がコメントを書き込める、双方向のコミュニケーションツールです。配信者とファンの関係は友達ではありませんが、友達と錯覚してしまうほどで、双方が共感を生むところに新しさを感じます。

 洋服づくりには、「つくる」「広げる」「売る」の3つの作業があります。つくる機能を配信者に付与すると、コミュニティーで「こんなのをつくったけれど、可愛いかな。どう?」との問いかけから始まって、内容も変化するのです。みんなで考えるTシャツ案をシタテルに任せていただくと、リアルのTシャツ案が生まれ、白と黒などの色の比較も容易になります。

 プロダクトアウト型であれば、企業が「今年は黒で決まり」として生産されますが、コミュニティーであれば、その時の気分をみんなで話し合うことができるので、「やっぱり今年は白だよね」などと、最新の消費者の心情に触れることができるのです。

 そして、昔は店舗を必要とし、卸価格が設定されていましたが、今はダイレクトEコマースという販売システムが整備されています。

 コミュニティーに影響力があって共感できるものをつくりさえすれば、共感・共創を生み出す源泉になります。自分たちのコミュニティーで企画から販売までを一気に行うという“自由”を得ることによって、小売りのありようも大きく変化します。

――ありがとうございました。
(構成=長井雄一朗)

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