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第一は顧客、第二は社員、第三は社会、そして最後の責任は株主に対するもので、「我々は、この順番で責任を果たす」という宣言である。J&Jは全社員がこの企業理念を十分に理解し、ワーキング・ツールとして活用している。結果として、同社は過去にグローバルベースで、60年以上連続で増収、50年以上連続で増益を果たしている。
先日、私はシンガポールに進出した日本企業の幹部研修を依頼され、丸1日かけて研修を行った。
40人の参加者はシンガポール人、マレーシア人、日本人、インド人、ミャンマー人、フィリピン人、中国人と多様性(ダイバーシティ)に富んでいる。まさに「ミニチュア国連」である。
ダイバーシティを推進するということは、組織の中に出身国、宗教、文化、価値観を異にする人が増えるということである。放置しておけば、組織は分裂してしまい、収拾がつかなくなる。その時、全員の心をひとつに束ねる働きをするのが、企業理念である。
企業を成長させるに当たって、どこを切っても同じ顔が現れる金太郎飴のような同質性や均一性にこだわっていては、らちが明かない。多様化によって異質なものを取り込み、組織に活を入れる必要がある。そこには刺激や摩擦が生じ、同時に新しい考えも生まれてくる。経営者が多様化を促進しようと思えば思うほど、企業理念の重要性はいや増しに高まっていく。
J&Jの「我が信条」は、世界各社の企業理念の中で最も有名であり、最も尊敬に値するものである。
そこで、最後に質問したい。あなたの会社には魂が、それも生きた魂がありますか?
(文=新将命/国際ビジネスブレイン代表取締役社長)
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