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航空経営研究所「航空業界の“眺め”」

スゴすぎるぞ!MRJ、初の国産ジェット機の全貌 世界の「空」を変える巨大な衝撃

文=牛場春夫/航空経営研究所副所長
スゴすぎるぞ!MRJ、初の国産ジェット機の全貌 世界の「空」を変える巨大な衝撃の画像1MRJ試験一号機(「Wikipedia」より/Grasshopper2015)

 三菱航空機は今月26〜30日までの間に、開発したジェット旅客機「MRJ」を初飛行させる。1962年8月に初飛行したYS-11以来、53年振りに国産日の丸航空機が日本の空を飛ぶことになる。ジェット旅客機としては初の国産機だ。2017年第2四半期にはローンチング・キャリアとなる全日空が国内線に就航させる。

 席数は70席 (MRJ-70型機)〜90席(MRJ-90型機)、航続距離は1500〜3300kmで、東京から香港(2920 km)、マニラ(3008 km)を飛行圏内にカバーする。機体の一部には炭素繊維複合部材を使用して軽量化し、MRJ-70型機では燃費性能を同種の従来型機より20%程度軽減する。燃費削減は、排気ガスや騒音軽減効果も生むことになる。客室はスリムシートの横一列4席(29インチピッチ)の座席配置とし、座席上部には大型オーバーヘッド・ビン(機内持ち込み手荷物収納スペース)を装備した上で、なおかつ広いヘッドクリアランスを用意している。

 要すれば、MRJは運航経済性と客室快適性と環境適合性の3つに優れた、日本が誇る次世代リージョナルジェット機なのだ。

 15年1月の日本航空からの32機におよぶ確定発注を加えて、現在まで内外の航空会社6社から確定223機、オプション160機、購入権24機の合計407機を受注している。発注機数の多い順に、米スカイウエスト航空200機(うち確定100機)、米トランス・ステイツ航空100機(うち確定50機)、日本航空32機(確定)、全日空25機(うち確定15機)、米イースタン航空40機(うち確定20機)、ミャンマーのマンダレー航空10機(うち確定6機)と、日米の航空会社5社が現時点の発注機数の98%を占めている。

米国航空会社に人気の理由

 米国のリージョナル航空会社が3社合計で、日本の航空会社2 社を抜いて圧倒的多数(約80%)の340機発注しているのは、決して驚くべきことではない。米国では国内線の年間総便数(4.2億出発便)の50%、年間旅客数(6.6億人)の約3分の1を、小型航空機で近距離の2つの地点を中心に結ぶリージョナル航空が担っているからだ。この世界最大のリージョナル航空路線網(その多くは米3大フルサービス航空会社のローカル便、いわゆるフィーダー便路線である)を運航する米国航空会社が、どこよりも性能の優れたリージョナルジェット機を大量に発注するのは当たり前と言えば当たり前なのだ。

 各社のMRJ選定にはシビアな運航経済性の追求に加え、大型オーバーヘッド・ビンを装着した客室快適性がその要因の一つになったものと推定される。米国内線では、格安航空会社(LCC)が導入した受託手荷物有料化がフルサービス航空会社にも伝播、機内持ち込み手荷物が激増し、限られた機内収納スペースの奪い合いが始まっている。

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