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多層構造が建築費高騰と手抜き工事を招く
ゼネコンの多層構造は、建築費を高額に押し上げる要因にもなっている。
「そもそもマンション建設を大手ゼネコンは引き受けたくないのが本音です。利益が出ないので、元請けである大手ゼネコンは請負金額の約2割をピンハネして一次下請けに任せるのです。さらに一次下請けはマージンを取って二次下請けに回す……。そのようなしわ寄せを受けた最終下請けは、見えるところだけ豪華にして、見えないところは手を抜こうとします。こうした構造が欠陥工事を引き起こすのです」(同)
今回の騒動は、こうした構造を改善すべきいいチャンスだが、そもそもアメリカには日本のゼネコンのような構造はないという。
「私がアメリカで高級コンドミニアムの設計及び工事監理をやったときには、コンストラクティングマネジャー(CM)と打ち合わせをし、CMは各工事の各業者数社に工事工程及び各工事費の上限を提示し、安い業者に工事工程を厳守させて工事を発注しました。CMは工事のマネジメントをし、設計者は工事のインスペクションをするのです。結果、日本のゼネコンと同様の高級コンドミニアムが竣工しましたが、その建築費は坪単価にして日本の約半額でした」(同)
今回の問題を機に議論すべきは、ゼネコンの下請けへの丸投げ構造だ。
(文=小石川シンイチ)
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