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半導体製造装置は、受注から納品までのリードタイムが電子部品などと比べて格段に長いため、足元の受注が悪いと、下期の業績にそのまま影響する。アドバンテストの四半期ごとの売上高と受注の推移を見ると、今期も売上高は高水準だが、受注はこの第2四半期(15年7~9月)に大きく減少している。
4~6月には440億円あった受注が、7~9月には271億円にとどまっているのだ。この受注減少が下期の売上高に影響するというのが、通期予想を下方修正した理由である。
第2四半期の受注急減の中身を見ると、出荷先別では、台湾向けが第1四半期の144億円から38億円に、韓国向けが92億円から36億円に、それぞれ大きく減少している。
これについて、アドバンテストでは、このように見ている。台湾向けでは、中国でのスマホ販売減少からアプリケーションおよびプロセッサ向け、ディスプレイ用ドライバIC向けなどの非メモリテスタ受注が減少、韓国向けではNAND型フラッシュメモリ投資が一巡したことやDRAMの投資計画見直しなどで、メモリテスタ受注が低調だった。
簡単にいえば、中国市場でスマホが売れなくなり、さらに安いスマホが売れ始めていることが影響している、というわけだ。
ただ、アドバンテストでは、中国市場のニーズがハイエンド商品に移行することなどを含めて、市況は徐々に改善すると見ている。したがって、受注はこの10~12月あたりが底で、第4四半期は上向くという観測のようだ。
アドバンテストの見立てが正しければ、中国経済の減速懸念は一過性のものということになるのだが、はたしてどうだろうか?
(文=高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役)
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