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『水戸黄門』が一話完結型の理由
――市場規模の見極めが大事そうです。
有馬 製品ではありませんが、テレビドラマ『水戸黄門』(TBS系)が一話完結方式なのは、市場を捉えたいい例なのではないでしょうか。このドラマは、昔はストーリーが週をまたいでしまうこともあったそうなのですが、ある日、制作側に「私たち年寄りは一週間先も番組を見られる保証はないので、一話で気持ちよく終わってほしい」といった投書があったことから、以来一話完結型になっていると聞きます。これも立派に市場調査を反映した結果といえるでしょう。
――ということは、相対する2つのニーズの要望に応えることはできないのでしょうか?
有馬 難しいですが、実施しているケースもあります。同じテレビ番組で考えると、最近の『仮面ライダー』シリーズ(テレビ朝日系)や戦隊モノがそうですね。メインターゲットは子どもですが、一緒に観る母親も惹きつけるためにイケメンの俳優をキャスティングするといった傾向が見られます。製品ですと、シリアルなどは子どもにも栄養価が高い食事として人気がある一方、手軽に食べられるので、忙しい社会人の朝食向けにも訴求されています。
――世の中の商品は、市場調査に基づき、市場を細分化してターゲットを設定してつくられるのですね。
有馬 そこを意識すると、ものの見方が変わってきます。これはどんな人に向けてつくられたものなのか、買う人を想像しながら商品を見るだけで、街を歩くのがなんだか楽しくなりますね。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)
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