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「元請けがきちんと説明をしてこなかったことが、混乱を長引かせている。元請けは施工した工事のすべてに責任を負う。三井住友建設には、そうした認識があるのか、はなはだ疑問だ」(業界筋)
経営体力への懸念
ゼネコン業界には追い風が吹いている。国土強靭化基本計画に伴う老朽インフラの整備。加えて、20年の東京オリンピック・パラリンピックの誘致決定に伴う大型工事や建て替え工事が目白押しだ。
三井住友建設は16年3月期の業績見通しを上方修正した。売上高4040億円(前期比6.9%増)の見通しは据え置いたが、純利益は60億円から90億円(同29.4%増)に引き上げた。ただ、傾斜マンション問題の処理費用は「算定が困難」として織り込んでいない。
永本副社長は「(業績への影響は)決して小さな額ではない」と述べている。建て替え費用の負担で、90億円を見込んでいた今期の純利益は吹き飛んでしまう可能性もある。さらに、主力のマンション建設で、販売主が三井住友建設に発注するのを中止する事態もあり得る。
国土交通省は杭打ち工事を行った旭化成建材だけでなく、売り主の三井不動産レジデンシャル、元請けの三井住友建設などについても、建設業法や宅地建物取引業法などに基づく処分を検討している。
「経営体力の大きな親会社を持つ三井不動産、日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材と比較し、実質的には独立系で三井住友建設は経営体力が小さく、それだけ受けるダメージも大きくなる。これ以上被害者面のまま責任逃れの姿勢を続けて業界内での信用を落とせば、経営危機という文字が現実味を帯びてくる事態も十分に考えられる」(市場筋)
三井住友建設には、真相究明への真摯な姿勢が求められている。
(文=編集部)
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