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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

わざわざ足を運ぶ場所ではなくなった居酒屋に、あえて足を運ばせる方法を考えてみた

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

 スマホで簡単に料理の写真が撮影できて、その場で「こんなお店に行ってきた」という情報をSNSなどで発信できる現代なだけに、若者はトピカルでない“普通の店”に行く価値を見いだせないのでは、と有馬氏は指摘する。

「テレビ番組『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS)を観て、紹介された名店に訪れようとする若者も多くいますし、やはり話題性のあるものに食いつくのが現在のSNS社会。チェーン店だって、つい写真を撮りたくなるようなメニューを展開すれば人は集まるはずです。さらに、チェーン店では割安感が期待されるので、コスパも求められます。そこで、例えば30分や1時間などの短時間利用での割引などを提案するのも、若者の琴線に触れる戦略になり得るのではないでしょうか」

 夕食を居酒屋で軽く食べられるような土台づくりも、業界に求められている要素といえそうだ。それは、連続テレビドラマ『孤独のグルメ』(テレビ東京)が人気を博している点からも同様のことが論じられる。

「若者には自分の時間を邪魔されずに過ごしたいという欲求も強くなっていますから、ひとりでも行きやすく、リラックスして食事ができる空間を居酒屋が提供するのもひとつの方法かもしれません。ひとり客は滞在時間が概して短いので、回転率も高くなり、店舗側にも大きなメリットがあるはずです」

 店舗側が従来通りの「居酒屋はワイワイと会話を楽しむ場所であり、お酒と料理、店舗づくりやシステムは二の次」というスタンスではなく、ニーズにあった店舗のプロデュースをすることが居酒屋復活の最低条件といえそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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