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大戸屋、業績低迷が深刻…テレビドラマ顔負けの“壮絶過ぎるお家騒動”の全貌

文=編集部

 人件費や原材料費の高騰を理由に、4月に値上げしたことが響き、客離れを起こした。客単価を引き上げようと、比較的安いランチ定食をやめたことが裏目に出た。その結果、中間決算の売上高は前年同期比3.3%減の123億円、純損失は1億7400万円の赤字(前年同期は6700万円の黒字)だった。

コロワイドの創業者は凄まじい人物

 コロワイド創業者の蔵人金男会長は凄まじい人物だ。17年の「商魂」のコラムに載せた言葉がインターネット上で大炎上した。「挨拶すら出来ない馬鹿が多すぎる」「生殺与奪の権は、私が握っている。さあ、今後どうする。どう生きて行くアホ共よ」と罵詈雑言の数々だった。

 コロワイドはM&Aによって成長してきた。小さな居酒屋から出発して、牛角やかっぱ寿司など有名企業を次々にのみ込んできた。買収されたかっぱ寿司の運営会社、カッパ・クリエイトでは3年間で4回の社長交代があった。大戸屋は蔵人流の荒療治の洗礼を受けることになる。コロワイドによる大戸屋HDのM&Aは吉と出るのか。それとも凶か。

「お骨事件」

 大戸屋HDのお家騒動を振り返ってみよう。カリスマ経営者、久実氏が逝去後、後継者となった智仁氏の処遇をめぐり、創業家と窪田健一社長ら経営陣が対立することになる。健一氏は久実氏の母方の叔母の息子で、久実氏とは従兄弟という関係だ。1年にわたるお家騒動の経緯を大江戸コンプライアンス第三者委員会(委員長・郷原信郎弁護士)がまとめた。16年10月3日に公表された調査報告書は、テレビドラマ顔負けのおもしろさで話題となった。

 智仁氏は中央大学法学部卒業。三菱UFJ信託銀行を経て、13年4月、大戸屋HDに入社。死を目前にした久実氏は、智仁氏を役員にすることを窪田氏に迫った。15年6月25日、大戸屋HDの株主総会で智仁氏は常務取締役海外事業本部長に就任。その1カ月後の7月27日、久実氏が死去。告別式の2日後の8月3日、窪田氏は智仁氏に10月からの香港赴任を内示した。経営に参画したばかりの息子が香港に飛ばされると激怒した三枝子氏が反撃に出た。9月8日の出来事は報告書の白眉だ。

<三枝子夫人は遺骨を持ち、背後に位牌・遺影を持った智仁氏を伴いながら、裏口から社内に入ってきて、そのまま社長室に入り、扉を閉めた上、社長の机の上に遺骨と位牌、遺影を置き、その後、智仁氏が退室し、窪田氏と二人になったところで、同氏を難詰した>

BusinessJournal編集部

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