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小早川隆治「日本のクルマづくり~さらなる志・凛・艶・昂を目指して~」

今年の東京モーターショーに感じた疑問と5つの提案…キッザニアとのコラボは成功か

文=小早川隆治/モータージャーナリスト

(1)トータルプロデューサー

 TMSのトータルプロデュースの欠如はいかんともしがたいところだ。出展各社へのお任せや広告代理店への依存などではなく、ぜひとも有能なクリエーターをリーダーとするトータルプロデュースグループを早期に立ち上げ、思い切った改革に向けて尽力することが必須だと思う。

(2)CASEもメインテーマのひとつにすればよいのでは?

 FUTURE EXPOや部品メーカーの展示などはテーマが分散しているのが残念で、自動車産業の変革のキーワードである「CASE」(つながり化、自動運転、シェアリング&サービス、電動化)のそれぞれのテーマごとに会場を設定し、メーカーやサプライヤーが展示すれば、情報発信がもっとわかりやすくなったのではないだろうか?

(3)分散した会場には大きな「?」マーク

 平日でもシャトルバスは長蛇の列で、いずれもOPEN ROADを歩いたが、車椅子や子ども連れには長すぎる接続路で、雨天の日は大変だっただろう。外国人にとっては非常にわかりにくく、分散会場は大きな「?」マークだ。

(4)輸入車メーカーの展示は無償でもよいのでは?

 輸入車の展示があまりにも少なかったことがTMSに行く喜びを大幅に削減したことは、疑問の余地がない。自工会が費用を負担してインポーターブースを設置、無償でブースを提供、普段なかなか見られないモデルを展示してもらえたら、TMSの楽しさが大幅に拡大すると確信する。

(5)大学生まで入場料は無料にすべきだ

 今回から高校生以下が無料となったが、なぜ大学生まで無料にしなかったのか理解に苦しむ。日本の産業の近未来にとって非常に大切な大学生にTMSに繰り返し来場してもらい、将来のことを考えてもらう絶好の機会となるはずなのに。

クルマに精通したオピニオンリーダーの意見

 締めくくりに、知人のオピニオンリーダーのご意見の圧縮版をお伝えしたい。

・Brian Long氏(日本に永年在住の英国人自動車ジャーナリスト)

 過去25年間のTMSがすべて思い出として残る私の視点から見て、今回のTMSは許しがたく、このままいけばTMSはスローだが痛みのある終焉を迎えるだろう。自工会としてもっと戦略的に予算を使うべきだし、輸入ブランドの出展がほとんどないため、ショーとしてのきらめきがない。今回のTMSの若者たちの記憶は「疲れた」だけになってしまうのでは?

小早川隆治/モータージャーナリスト

小早川隆治/モータージャーナリスト

1941年生まれ。学習院大学卒業後、東洋工業(現マツダ)に入社。RX-7&モータースポーツ担当主査、北米マツダ副社長などを務める。退職後、モータージャーナリストとして活動。日本自動車研究者ジャーナリスト会議監事。

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