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2023.07.07 22:18
2015.12.24 00:12
小笠原泰「生き残るためには急速に変わらざるを得ない企業」
実は収益基盤が「とても心許ない」東芝、本当の危機…改革という名の単なる「縮小」
優等生・東芝の弱さ
ここで、社内の経営組織体制変更の手続きを見てみたい。
例えば、室町新体制では不祥事の原因とされるコーポレートガバナンス(企業統治)の問題を克服するために11人の取締役中、7人を社外取締役とし、社外の前田資生堂相談役を取締役会議長とする体制を敷いている。東芝は指名委員会等設置会社なので、今回は社外取締役が3つの委員会を兼務しながら経営を監視する体制を取るとしている。ちなみに指名委員会等設置会社とは、取締役会のなかに社外取締役が過半数を占める指名・報酬・監査委員会を設置し、取締役会が経営を監督し、業務執行については執行役に委ねて経営の合理化と適正化をはかる会社である。
室町社長は新体制以前の8月に、上級管理職による社長の無記名信任投票を行い、指名委員会による社長再任指名の参考にするとした。これらを見る限り、確かにやるべきことは正しくやっている。さすが、優等生の東芝である。
しかし、詳しく見てみると、この新体制は世間の常識とは異なる感覚を露呈している。次稿では、その詳細をみていくことにしよう。
(文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授)
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