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水位が上昇したまま放置できないため、今では排水設備を設けて、日々地下水を汲み上げている。JR横須賀線の東京―品川間は大半が地下を通っている。地下水問題に対処するため、コンクリート外壁の隙間から出てくる地下水を7カ所に設置したポンプと貯水槽を使って排水している。その排水設備がトラブルを起こし、東京―新橋間で70メートルほど線路が冠水し、冒頭の運転見合わせにつながったのである。
ゼロとイチの間に存在する解を探す
最近、鉄道の遅延や運転見合わせが頻繁に起こっているような気がするのは筆者だけではあるまい。これは、これまで直通運転されていなかった鉄道がつながり、たとえば栃木県で起こった事故が神奈川県の湘南地域まで波及するなど、事故の影響が及ぶ範囲が拡大しているためだ。
直通運転が増えたことで利便性は増したのだが、その一方で、事故の影響範囲が広まるというマイナス面もある。取水制限をすることで地盤沈下は抑えられるが、その一方で地下水位上昇という問題を招く。二律背反の難しいところだ。
何事もバランスなのであろう。ゼロかイチかというデジタルではなく、ゼロとイチの間のどこかに現実世界の解が存在する。そこを探し続けるのが、実は経営というものかもしれない。
(文=宮永博史/東京理科大学大学院MOT<技術経営>専攻教授)
【参考文献】
「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社/13年8月24日号)記事「風が吹けばおけ屋が儲かる?地下水上昇で“潤う”東京都の懐」
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