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豊田家では、業祖・豊田佐吉氏が「一人一業」を説いた。代々の盟主は、それぞれ新しい事業を興せということだ。豊田式自動織機の発明者として教科書にも登場する佐吉氏は、長男の喜一郎氏に自動車づくりの道を歩ませた。喜一郎氏は長男の章一郎氏に住宅産業への進出を勧めた。
そして豊田家四代目の御曹司である章男氏も「一人一業」に挑むことになる。それがAI技術を活用した新領域への進出というわけだ。
章男社長の豹変
章男氏は15年12月21日、20年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の副会長を辞任した。公式エンブレムが白紙に戻ったことを受けて発足した改革チームを率いてきた。後任には、パナソニック社長の津賀一宏氏が就任した。
「私は財布ではありません」
「トヨタ自動車と聞くと、すぐお金の話題が出る」
15年4月16日、サッカーJ1名古屋グランパスの会長に就任した章男氏は会見で、選手の補強について聞かれて、こう明言した。サポーターの間で高まっていた大型補強の期待を一蹴した。サッカーだけでなく東京オリンピックへの対応も、この発言の延長線にあるとみていいだろう。
その章男氏はこれまで財界活動に消極的だったが、「最近では『次の経団連会長は自分がやるしかない』と発言するようになった」(財界筋)。
経団連の五輪の窓口となるスポーツ推進委員会の委員長に就任し、五輪支援の協議会会長を務めている。経済・産業界の寄付のとりまとめ役として動かなければならない。その一方で、組織委副会長のポストに留まれば、寄付を要請する側に回ることになる。利益の相反が起こりかねないため、組織委副会長を辞任したとみられている。
「組織委員会を改革するためにトヨタはチームを送り込んだが、改革が遅々として進まないことに章男氏は嫌気が差した」(関係筋)
榊原定征・経団連会長を「安倍首相の言いなり」と揶揄する声も多いなか、「豊田章男経団連会長待望論」が日に日に高まっている。今年の章男氏の動きが注目される。
(文=編集部)
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