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「この場合、男性店員は被害者の女性客に対して『突然、知らない人から連絡が来た』という不安感や、nanacoのサービスを受けるためにセブンを信頼して個人情報を記載したにもかかわらず、『勝手に利用された』という精神的なダメージを与えました。そのため、それに対して慰謝料を支払う義務が生じ得ます。もっとも、過去の同様事例と比べても、金額は数千円から1万円程度です。
そして、前述のとおり、セブンも店員の監督を怠ったとして、被害者に対して同様の責任を負う可能性があります。ただし、『個人情報の保護に関する法律』は目的外利用や監督怠慢などに対しては罰則を設けていないため、それのみで刑事責任を問われることはありません」(同)
すでに、男性店員と女性客は「今後一切、接触しないこと」を条件に和解しているという。また、セブンは「しっかりとした情報管理ができていなかった」として、男性店員および福井県福井市の当該店舗に厳重注意という処分を与えている。
個人情報といえば、先日には岐阜県の職員が、不正アクセスによって女性アイドルなどのメールを盗み見たことで逮捕された事件があった。
「この事件で差し押さえられた容疑者のパソコンには、アイドルの写真などのほか、県の女性職員の個人情報も保管されていたようです。他人の個人情報を保管すること自体は特に問題ありませんが、個人情報を取得する際に他人のパソコンやサーバーに不正にアクセスしたり、そこで得た個人情報を不正に利用したりすると、法的な問題が生じるわけです」(同)
今年1月よりマイナンバー制度が開始され、誰もが個人番号を持つ時代になっただけに、その管理や取り扱いには細心の注意を払いたいところだ。
(文=編集部、協力=山岸純/弁護士法人ALG&Associates執行役・弁護士)
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