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三洋電機が来た道
シャープの業容の推移を見ていると、三洋電機の栄枯盛衰を思い出す。三洋は一時年商2兆円、従業員数10万人規模を誇った。それが11年にパナソニックの子会社として吸収され、今では社名も残っていない。シャープも機構案ではいずれ切り刻まれ、事業ごとに別の会社と統合され、名前も残らなくなったであろう。一方、鴻海の支援を受け入れれば、社名やブランドは残るだろうが台湾企業となる。三洋の白物家電部門が中国ハイアールに吸収されたのと同じ構図だ。
私は15年2月の別の連載「展望!ビジネス戦略」で「赤字転落のシャープ、17年までに消滅の危機」とした。そのなかで、高橋社長のことを「心もとない高橋社長のリーダーシップ」とも酷評した。三洋電機も思い起こせば、解体消滅したときにはジャーナリスト上がりの「けったいな」女性社長が登板して、力を発揮することができなかった。高橋社長も「シャープのけったいな企業文化を変える」として立ちすくんで来てしまったままだ。軽井沢事故の教訓は、「バスが曲がり角に差し掛かったときに不適な運転手が搭乗していると恐ろしい」ということだった。シャープも大転倒しないことを祈る。
(文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント)
※ 本連載記事が『間違いだらけのビジネス戦略』(クロスメディア・パブリッシング/山田修)として発売中です。
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