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新サービス開発競争も価格競争もなく、しかも収入は公費から支払われるため(利用者の自己負担率は1~2割)、焦げ付きが発生しない。事業の実態は経営というよりも運営に近く、いわば行政の規制と保護で成り立っている業界である。この成り立ちに由来するのか、極端にいえば社会保障制度にぶら下がり、他業界に比べて事業者の自己責任意識が希薄であることは否めない。
しかし、事業主体が社会福祉法人であれ株式会社であれ、民間事業者である以上、経営の原則は自己責任である。とかく社会福祉法人関係者は、異業種から介護に参入する企業について「介護の世界は、収益が目的の一般産業とは違う」などと批判的に見る傾向にあるが、市場原理に揉まれた異業種組には、親方日の丸の業界体質がぬるい業界に映るのだ。この業界体質が規制緩和とは別の意味で参入ハードルを下げ、社会保障費を食いものにする劣悪な事業者をも招いている。
介護離職ゼロ政策を推進するには、政策の実効性もさることながら、介護業界の体質改善が欠かせない。
(文=福田憲次郎/福祉ジャーナリスト)
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