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ルディー和子「マーケティングの深層と真相」(3月1日)

独身隆盛、マス消費消滅、多様すぎる価値観…「正当な理由」がないと買わない消費者たち

文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授

 コンテンツマーケティング会社のエコンテが、コンテンツマーケティングを実施している企業のマーケティング担当者600人を対象に調査したところ、76.3%が効果を実感していると答えている。フェイスブック、ツイッター、ライン、ユーチューブといったメディア、ブログ、自社サイトにおいて情報を提供することで、ブランド認知、見込み客獲得につながっているということだ。

 経済的レベルが一定以上となり、衣食住に関する基本的欲求(生理的かつ安全に関する欲求)が満たされると、人間は精神的満足度を求めるようになる。この段階になると、何に価値を感じるかは人によって大きく違ってくる。社会的に認められたい欲求といっても、それが大きな家を建てることやエルメスのバッグを所有することを意味する人もいるだろうし、そうではなくて、高齢者を助けるボランティア活動を意味する人もいる。だから、市場は小さなセグメントに分割される。

 花王の吉田勝彦専務は「スモールマス」という造語を使う。「マス市場がなくなり、スモールマスと呼ぶ一定の規模を持つ市場が数多く生まれている」と語っている。すでに花王ではスモールマスと位置づける商品群の売り上げ合計がマス商品を上回ったそうだ。スモールマスの時代は、特売は減りシェアより顧客の声を丹念に追うマーケティングになると説明している。
(文=ルディー和子/マーケティング評論家、立命館大学教授)

ルディー和子/マーケティング評論家

ルディー和子/マーケティング評論家

早稲田大学商学学術院客員教授。
国際基督教大学卒業後、結婚・渡米を経て帰国、
米化粧品会社のエスティ ローダー社で働きながら
上智大学国際部大学院経営経済修士課程修了。
エスティ ローダー社ではマーケティングマネジャー、
出版社タイム・インク/タイムライフブックス社での
ダイレクトマーケティング本部長を経て、
マーケティング・コンサルタントとして独立、
自身の会社ウィトン・アクトンを設立
ルディー和子オフィシャルブログ

Twitter:@shouhigaku

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