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中国&アップル失速ショックが日本企業を直撃!関連倒産急増、利益爆減の嵐

文=編集部
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 現在、中国国内の人件費高騰に伴う製造単価の上昇や為替変動による輸入増大などをチャイナリスク倒産の原因として数えており、低価格の中国製品流入による価格競争で倒産してもチャイナリスク関連倒産にカウントされない。

 だが、中国の景気低迷によって、過剰生産した製品が採算を度外視して、これから大量に日本へ流入してくる可能性がある。つまり、中国製品の“爆売り”である。東京商工リサーチは、今まで中国に進出していない中小企業でも、中国製品の流入による低価格競争に巻き込まれて倒産するケースが増えると予測している。いわば「爆売り倒産」だ。

爆買いの代表銘柄、ラオックスの株価が急落

 中国観光客の“爆買い”の恩恵を最も受けたのはラオックスだ。15年12月期の連結決算(日本会計基準)の売上高は前期比84.6%増の926億円、営業利益は4.9倍の85億円、純利益は6.5倍の80億円だった。

 ところが、ラオックスの株価は2月15日、28円安の122円まで下落。昨年来安値を更新した。15年12月期の営業利益は85億円に拡大したが、15年8月に増額修正した90億円を下回った。同年8月13日の大引け後、営業利益はその前の期の5倍になると公表したのだ。従来予想の2倍という強烈な内容で、8月14日の株価は急伸したが、大風呂敷を広げた90億円という数字には結局とどかなかった。

 ラオックスの変調は、インバウンド景気が変化したことを示している。人民元安の進行に加え、リピーターが増えてきた。彼等は最初の訪日時のように高額品を買わなくなった。10万円を超える炊飯器などの高額商品ではなく、化粧品や日用品を買い求める。その結果、インバウンド景気に沸いたラオックスを筆頭とする小売業は利益が落ちる。

 ラオックスの16年12月期の営業利益の予想は70億円(前期比18.4%減)と2ケタの減益になる。国内50店舗体制(前期末17店舗)、PB(プライベートブランド)商品の拡大などをうたっているが、インバウンド需要の伸び悩みを前提とした利益計画を立てたことは明らかだ。

 ラオックスの株価は昨年7月24日の高値(564円)まで約1年で10倍になった。急騰の反動もあり、その後の半年で高値から79%超の下落をしたわけだ。

 16年は爆買い効果が剥げ落ちる。爆買いで潤った小売業は倒産予備軍といえ、要注意だ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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