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伊藤忠、悲願の商社トップへ…凋落激しい三井物産と住友商事、丸紅にも抜かれる危機

文=編集部
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 丸紅の16年3月期の純利益は前期比41.0%減の622億円となった。減損額は1625億円で、このうち資源は1404億円。北海やメキシコ湾での原油開発に絡み減損を決めたほか、前期に2700億円を投じて買収した米穀物子会社ガビロンで、のれん代を減損処理した。三菱商事、三井物産の2Mが赤字転落したが、もう一つのMである丸紅は黒字を確保した。

住友は損失が膨らむ

 住友商事の16年3月期の純利益は、1000億円の黒字(前期は731億円の赤字)になる見通しだったが、5月9日に発表した数字は745億円の黒字。期初予想の2300億円から1000億円に減額し、さらに745億円の黒字になった。それでも2期ぶりの最終黒字を確保した。

 住友は1月、マダガスカルのニッケル事業で770億円の減損損失を計上すると発表。想定を上回る資源価格の下落を踏まえ、原油や石炭、鉄鉱石、銅といった各事業についても減損計上の可能性があるとして、通期の業績予想を「未定」とした。

 今回、新たにチリの銅開発で140億円、南アフリカの鉄鉱石関連投資で183億円の損失が発生し、15年4~12月期に計上した減損損失はトータルで1116億円となった。だが、さらに年明けからもう一段、資源価格が下がっている。16年1~3月期にも、豪州の鉄鉱石などで600億円の追加損失が出る見込みだ、と説明していた。減損損失は通期で1951億円に達し、従来予想の1700億円の損失を、さらに上回った。資源関連の減損が1553億円、豪州の穀物事業など非資源分野で217億円を減損処理した。

 それでも2期連続の最終赤字を避けるために、「減損損失を抑えた」との見方が商社担当のアナリストたちの間にはある。かつて“万年3位”といわれていたが、いまや丸紅に逆転を許した。

 住友グループ内では「赤字になればトップ交代は必至」といわれている。三菱商事同様、どのような決算態度を取るのかに関心が集まっていた。1000億円の最終黒字を確保できるかが焦点だったが、結局、745億円の黒字という決算に落ち着いた。「三菱商事並みの減損を断行すれば745億円の利益は出なかったろう」という厳しい見方をするアナリストもいる。

双日は黒字幅を縮小、豊田通商は減損計上

 15年秋から放送中のNHK連続テレビ小説『あさが来た』の主人公「あさ」のモデルは、明治・大正の女傑といわれた広岡浅子だ。浅子の夫、広岡信五郎は双日の源流の1社である日本棉花(のちのニチメン)の発起人。双日はホームページで広岡浅子・信五郎夫妻の物語を紹介している。

BusinessJournal編集部

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