1年ほど前にこんなことがあった。私が使っているある大手メーカーのシャンプーの詰替えを買おうと近所のドラッグストアに行ったときのことだ。比較的どこでも売っているはずの商品なのだが、近所のどこを探しても見つからない。
ちなみに私はなぜか10代の頃から女性用シャンプーを使っていて、今は30~60代くらいの比較的シニアな層をターゲットにした婦人用ブランドのシャンプーを愛用している。
そのブランドのラインナップは普通用が水色のパッケージ、ダメージケア用が金色、そして私が利用しているある機能を持った緑色の商品だけが、ドラッグストアで欠品になっている。
この商品がどういったものかという種明かしは後ほどするとして、話を続けたい。
私はこういう現象を見つけると好奇心がわいてくるたちだ。偶然ではないような気がして近隣10軒ぐらいのドラッグストアを歩いて回ってみたところ、少なくとも特売コーナーでは緑の商品はほとんど売り切れに近いことがわかった。一方で、水色の商品が一番多く棚に残っていることもすぐにわかった。
つまり普通のシャンプーが一番売れていなくて、ダメージケア成分が入ったシャンプーはある程度売れている。そして別の機能をウリにした緑色の商品は軒並み売り切れという状態だ。
ここで、「この緑色の商品はなんだろう」というクイズの答えを考えながら、この先を読んでほしい。
老化対策商品の市場は細分化
この問題に興味をもったのは当時、私と同世代の50代の女性をターゲットにした化粧品のコンサルティングを行っていたからだ。この世代の化粧品にはいろいろな分類の方法があるのだが、わかりやすいセグメントを紹介すると、以下4つの市場に、老化対策の化粧品やその関連商品のマーケットは細分化されているらしい。
(1)劣化しやすい部分をケアする
(2)劣化を予防するために成分を補う
(3)劣化してきたものを再生する
(4)劣化を目立たないように隠す
(1)は、比較的若い方が肌がかさかさしてきた時に購入する保湿剤のような製品をイメージするとわかりやすい。(2)は、爪が傷つきやすくなってきた時にカルシウムをサプリで飲むような場合。体内から不足する成分を吸収するものや、表皮にコラーゲンを塗るようなものがこのカテゴリーに相当する。