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筆者が教えたクラスの例でいえば、まず学生に課題を投げかけて学生が答え、その答えに対してさらに別の学生に意見を述べさせることの連続だった。学生は事前にケースのデータを読み込み自分なりの回答を用意しつつ、議論に参加して発言することで評価される仕組みだ。発言をしない限り評価はされないため、学生は我先にと手を挙げてくる。しかし、いい加減な根拠で発言するとすぐに教員やほかの学生からの突っ込みが入るという、緊張感のある90分間の授業だった。
本ケースが採用された理由は、小さな未公開会社が業容の拡大の際に避けて通ることができない意思決定プロセスと、投資家に自社の株式を譲渡または投資を受ける際の意思決定方法を学ぶことにあるからだろう。具体的には以下の内容が挙げられる。
・一等地の高額な賃貸料が発生する場所への新規出店をするべきかどうか?
・他社からのアライアンス(提携)の提案、出資要請にいかに対応すべきか?
・出資と借入とどちらにすべきか?
・出資を受け入れる場合の1株当たりの株価は、どのくらいが妥当か?
このケースでは特に損益分岐点分析と企業価値評価(バリュエーション)という2つの課題を学ぶことが要求されているが、ディスカウントキャッシュフロー(DCF)法の基本が理解できていればそれほど難易度は高くない基本的なものだ。
ハーバードといえど、やはり基本をしっかりと理解しておくことが何よりも大切なのだ。とくに小さな会社の経営者は、経営戦略やマーケティングのみならず、ファイナンスの基本を学んでおく必要があるだろう。
世界的経営コンサルタントでありBBT大学学長の大前研一氏も、これからのビジネスパーソンに必要な三種の神器は「経済&IT」「英語」「問題解決力」だと述べている。 企業価値評価などの難解そうな算式も、実は実務で必要なものは表計算ソフト(エクセル)を使えば誰でも答えが出せるものだ。なおハーバードのケースはもちろん英語だが、販売もされているので興味のある読者は購入することが可能だ。
日本企業が国際展開を行う際に大切なこと
最後に、筆者はレディMの事例から、日本企業の海外展開のチャンスの見つけ方に重要な示唆があるように思えた。
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