就活の学歴差別は当然である…学歴によって基礎学力に大きな差、だが必須ではない
学歴というロゴマークだけではブランドにならない
学歴はその人のブランドを表すわかりやすいロゴマークではあるが、それがなくても本当に実力があればちゃんと活躍できるというのもまた事実である。
企業でいえば、良品計画が手掛ける無印良品は、見た目ばかりで実質が伴っていない他社の商品に疑問を抱き、シンプルで実質本位の商品を提供しようとしたのが始まりだ。無印良品の商品には、今でもロゴマークの類はどこにも付いていない。それでも、商品そのものの良さが評価されて大成功している。今では印がないことがブランドとなっている。
人の話に戻せば、人生とは自分自身のブランドづくりのようなものだ。学歴、資格、職業、勤務先等によって、好むと好まざるとにかかわらず人には色が付き、世の中でのポジショニングも決まっていく。学歴は、そのなかでも非常にわかりやすいロゴマークなのだ。
ただ、ロゴマークはブランドとイコールではない。ロゴマークに実力が伴って初めてブランドになるのである。逆にロゴマークがなくても、無印良品のように実力そのものがブランドになることだってある。
学歴というわかりやすいロゴマークがあればそれを最大限生かせばいいし、なければないで実力でブランドを構築すればいいのだ。職種によっては大学に行くだけ時間がもったいないということだってある。
問題なのは、ブランド全体に整合性がないことだ。ショーン川上氏の最大の過ちは、経営コンサルタントを名乗ってしまったことだ。経営コンサルタントを名乗ってしまったために、そのブランドイメージと整合する学歴を詐称しなければならなかったのだろう。
彼は最初からタレントと言っていればよかったのだ。経営コンサルタントとしては実績・力量ともに疑問符が付くが、あれだけテレビで重宝されていたのだから、タレントとしての実力はあったはずだ。タレントであれば、学歴というロゴマークがなくてもブランドとして成立したはずだし、本名とは異なる芸名も顔の整形も普通のこととして許されたはずだ。
学歴だけがあっても使い物にならないコンサルタントは山ほどいる。それと比べれば、学歴はないが使えるタレントのほうがはるかによかったのにと思う。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)