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「だから直接聞いてみた forビジネス」

東京の駐車場が足りなすぎる!不正駐車多数で空きなく路駐→罰金、新宿区の投げやり回答

文=酒平民 林 賢一/ライター
東京の駐車場が足りなすぎる!不正駐車多数で空きなく路駐→罰金、新宿区の投げやり回答の画像1「Thinkstock」より

 この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は林賢一氏が、バイクの駐車場に関する謎に迫ります。

【ご回答いただいた窓口】
東京都新宿区立新宿駅新南口路上自転車等駐輪場

 バイクで走るのが気持ち良い季節になってきた。

 天気の良い日にぶらっと、オープンカーに乗って行き先も決めずにドライブする――、そんなことができたら最高なのだろうが、私は250ccのスクーターでも充分満足である。地方に行けば駐車場には停め放題で、そのまま都心には戻りたくないくらいだ。だが、そうはいかない現実がある。

 都心でバイク移動すると、駐車場に困る。自動車であれば駐車場はすぐに見つかるが、バイク専用の駐車場となると数が少ないのが実情だ。そのわりに路上駐車の取り締まりは自動車と同じくらい厳しいので余計に困る。

 たとえば、東京・新宿駅前にはバイク専用駐車場があるが、いつも混んでいる。しかも、この駐車場はタイヤにチェーンを通して駐車するという利用方法なのだが、チェーンを通さずにそのまま駐車している不正駐車がかなり多い。

 その結果、バイクで新宿に来たものの停めるところが見つからず、仕方なく路上駐車した挙げ句に罰金を取られるという負のスパイラルに巻き込まれることになる。

 駐車場ではチェーンをタイヤに通して機械に差し込まない限り料金が発生しないため、そのような不正駐車をしている人物は気ままに長時間停めていることが多い。つまり、不正利用によってほかの利用者にも多大な迷惑をかけているのだ。

不正利用への抜本的な対策はなし?

 そこで、不正利用への対策について、新宿区立新宿駅新南口路上自転車等駐輪場に直接聞いてみた。

「チェーンをかけないで駐車しているバイクを時々見かけますが、なんらかのチェックはしているのでしょうか」

担当者 不正利用があることは承知しており、我々も巡回をしてチェックしているのですが、なくすことはできていません。

–チェーンをタイヤに通して、その先端を機械に差すと、そこから時間を計測して料金が発生しているわけですよね。

担当者 そうです。

–チェーンをタイヤに通して、その先端を機械に差さないといった人も見かけます。

担当者 おっしゃる通りでして、悪質な行為に関しましては我々も手を焼いております。出庫するときに料金を払わず、チェーンを切断してしまうような人もいます。

–そのような不正への対策は可能なのでしょうか。

担当者 駐輪場・駐車場はほかにも多くありますから、人手の関係ですべてを管理できていないのが現状です。

–民間業者などに業務委託はしていますか。

担当者 はい。委託して回っていただいているところもあるのですが、それでも不正は起きているので、さらに監視を強化していきたいと考えております。

–監視員をつけることはできないのですか。

担当者 経費の問題もあり、常駐することは困難です。当面策としては、巡回を強化するというかたちで我々も気を付けてパトロールしていきたいと考えております。

–監視カメラなどを付けることはありますか。

担当者 やはり経費の関係で難しいところです。今日お電話いただいたように、不正を見つけましたらご連絡いただけますと大変助かります。

–不正をしている人には、何か罰則はあるのでしょうか。

担当者 チェーンを機械に差していない場合には正しく差し、ナンバーを控えております。我々も手口は把握しており、悪質な人は常習していることが多いので、直接注意をしているという状況です。

–駅前の駐車場は人気が高く、停めたい人が列をなしている時間帯もあります。不正があると、料金が発生しない分、利用者の回転が悪くなるように思います。

担当者 ご迷惑をおかけしております。巡回を強化いたします。

–ありがとうございました。

 このように、基本的には「巡回をして監視している」とのことだった。抜本的な解決にはつながらないような気がするのだが、経費の都合と言われてしまえば、それ以上を求めることはできない。

 そもそも、バイク駐車場の絶対数の少なさが問題だったりもする。せっかくバイクが気持ち良い季節になったというのに、こういった些細なことで、バイクに乗る機会が減ってしまうのは悲しいことだ。
(文=酒平民 林 賢一/ライター)

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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