1. アクション映画よりドキュメンタリー映画が好き
2. 机の上が汚い
3. 自己表現はセルフコントロールに優る
4. Internet Explorer(IE)以外のブラウザを使っている
5. 国境はなくなることが望ましい
6. タイムズスクエアよりメトロポリタン美術館が好き
7. 自国の歴史に完全には誇りを持たない
8. 犬より猫が好き
9. 子どもは権威を尊敬する必要はない
10. 多国籍料理が好き
11. 政府は自国民と他国民の生命を同等に扱うべきだ
12. 配偶者がひとりでポルノを見ているのはいやだ
質問項目のなかには自国の歴史への誇りとか自国民優先とかいった、いかにもイデオロギーと関連していそうな項目もありますが、イデオロギーとの関連がはっきりしない項目も多数含まれます。なんらかのデータを用いて、そうした項目への回答から当人のイデオロギーを予測するモデルが構築されているのでしょう。
なおこのサイトは、予測されたイデオロギーが正しくないと思った人に、自分の正しい保守度・リベラル度を報告するよう要請してきます。つまり、繰り返し再学習する仕組みが組み込まれているのです。このサイトを訪れた人が自分のイデオロギーを回答し続ければ、予測精度が高くなっていくわけです。
こうした話は米国では受けるのか、支持政党と好きなプロスポーツの関係を示した記事もあります。それによれば、共和党支持者がゴルフ、アメリカン・フットボールを好むのに対し、民主党支持者はプロバスケットボールや格闘技を好むようです。ただし、格闘技が好きな人は投票率が低いので、選挙での貢献はあまり期待できないかもしれません。
日本での「イデオロギーと消費行動」の関係を検証しよう
日本でもイデオロギーとライフスタイルになんらかの関連性が見られるのでしょうか。論より証拠ということで、データに基づく分析結果をご紹介したいと思います。用いられたデータは、2014年12月に全国の20歳以上の男女を対象にして行われたウェブ調査の結果です(分析対象としたのは約5,000人)【註2】。
この調査では、回答者の政治的立場が「保守-リベラル」「右-左」のどのあたりに該当するかを、それぞれ10点尺度で答えてもらっています。イデオロギーの分布は図表1のように左右対称で山形になります。無回答(図における「DK」)は全体の2割強で、決して小さい数字ではありませんが、7~8割の人々が回答したともいえます(「右‐左」より「保守‐リベラル」の回答率が高くなっています)。