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資生堂、「育児中の女性社員も休日出勤」の破壊的改革で利益爆増…140年培った強み否定

文=編集部
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 資生堂が業界ナンバーワンの地位を築く原動力になったのが販社制度だ。販社の営業マンが個人経営の専門店を回り、店主に化粧品の使い方を指導してきた。しかし、化粧品の主力販路が専門店から量販店、ドラッグストアへと移り、旧来の販社制度では変化に対応できなくなった。そこで魚谷氏は、90年の歴史を持つ販社制度に終止符を打った。

 社員の働き方にも魚谷改革は及んだ。14年から勤務シフトを変更し、育児中の美容部員でも、遅番や土日に出勤してもらうようにした。

 一連の魚谷改革の成果が業績に結びつくまでには、時間がかかる。魚谷氏は、15~17年を「基礎工事をやり直す時期」と位置づけ、改革の果実を得られるのは、その先とみている。

 インバウンドのリピーター需要が一巡して、その効果が剥げ落ちるとき、魚谷氏のマーケティング改革の真価が問われることになる。

米化粧品会社を買収

 資生堂は6月3日、米デラウェア州の化粧品会社、ガーウィッチ・プロダクツを9月末までに買収すると発表した。ガーウィッチは「ローラ メルシエ」など高級化粧品ブランドを持つ。買収額は250~300億円とみられている。この買収によって高級化粧品の品揃えを強化する。

 資生堂の米子会社がガーウィッチの親会社から全株を取得する。「ローラ メルシエ」はメーキャップ化粧品として人気があり、世界34カ国で展開している。北米や欧州で知名度が高い。

 資生堂は10年に1800億円を投じ、米化粧品会社のベアエッセンシャルを買収し、米国でメーキャップを中心に化粧品事業を拡大してきた。M&Aは6年ぶりで、魚谷体制になってからは初めてだ。
(文=編集部)

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