消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
NEW
2023.04.29 01:56
2016.06.24 00:11
小黒一正教授の「半歩先を読む経済教室」
未成年世代、今の60代以上世代より1億円も税金等の負担格差…消費増税延期でさらに増
将来世代の負担超過が拡大
この世代会計を用いて、筆者が試算した結果が以下の図表である。
図表:世代会計の試算結果(単位:万円、筆者作成)
17年4月に増税を行った場合、将来世代(0-19歳を含む)は8221万円の損(負担超過)、60歳以上の世代は3982万円の得(受益超過)であったが、19年10月に増税を行った場合、将来世代の負担超過は8265万円に拡大、60歳以上の世代の受益超過は3990万円に拡大する。
すなわち、今回の増税再延期で、将来世代は1人当たり約44万円も損が拡大する可能性を意味する。
現在のところ安倍首相は、次回は増税の再々延期はせず、19年10月に消費税率を確実に10%に引き上げる旨の発言をしているが、これ以上の延期は、将来世代にさらにツケを先送りするだけであり、図表が示す通り、増税を恒久的に延期すれば、840万円も損が拡大する可能性がある。
さて、以上の試算を参考に、若い世代を含む全世代はどう投票するか。いま選挙権を18歳以上に引き下げた本質が問われている。
(文=小黒一正/法政大学経済学部教授)
Business news pick up
RANKING
23:30更新関連記事
2024.11.21 18:05
2024.11.21 18:00
2024.11.20 22:21
2024.11.20 20:41