「まともな食事」崩壊で命を危険にさらす日本人!栄養素スカスカ加工食品まみれで病気蔓延
日本人が摂取する野菜の量が年々減少していることは、ご存じの方も多いと思います。ご自身もまたそのうちのひとりであることを自覚し、もっと野菜を食べなければいけないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。それに比して、アメリカ人の野菜の摂取量は1980年頃から、徐々に伸び続けています。その発端となったのは、77年に発表された「マクガバンレポート」です。
60年代後半のアメリカは、今の日本と同じように生活習慣病のために医療費が増大していました。それはアメリカ経済を窮地に陥れるほどの額で、当時のリチャード・ニクソン大統領は生活習慣病、特にがんの撲滅のために、アポロ計画に投じる予定だった予算を、医療費削減のための事業に割り当てたといわれています。大統領が抱いていた危機感がいかほどであったのか、推し量ることができるエピソードだと思いませんか。
結局、アメリカの国民医療費は、77年には1180億ドル(約25兆円)にまで膨れ上がることとなり、ニクソンの抱いた危機感が杞憂には終わらなかったことが証明されてしまいます。
それとは対照的に、日本の現首相が取るさまざまな政策からは、国民の健康に対して関心を抱いていないように見えます。国民の健康を守れない人物が、国民の権利を擁護し、安全を確保できるとは到底思えません。せめて1回に数億円もかける無駄な外遊、オスプレイをはじめとする意味のない巨額な軍事費、パナマのモノレール建設にかかわる2800億円もの借款などは、即刻やめるべきでしょう。それらをやめても国民にはまったく不利益とはなりません。そして、その分を国民が健康であるための調査・研究に回したら、どれほどの利益が得られるか、考えてほしいところです。
米国では食事内容が改善
それはともかくとして、米民主党の中で副大統領候補にまで名前が挙がっていたジョージ・マクガバン氏が、アメリカ国民の健康を取り戻すために最重要と考えられた食生活に関する考察を命じられ、栄養問題特別委員会の設置とともに委員長に就任したのが75年です。そしてその2年後に発表されたのがマクガバンレポートなのです。
このレポートの中では、アメリカ人の食生活の悪しき面が強く指摘されています。
「肉食中心の誤った食生活が慢性病(生活習慣病)をもたらしている」
「食原病は薬では治らない」
「精製しない穀物や野菜、果物をたっぷり摂るべき」
瞠目すべきレポート内容だと思います。しかし、このレポートは後々アメリカの食品業界、農業団体、医療業界の圧力によって闇に葬られることとなり、それのみならず当のマクガバン氏は業界に加担したメディアの力もあって、政治生命さえも絶たれる結果となってしまったのです。