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“絶望の高原”を乗り切るためには?──『絶望読書』著者・頭木弘樹インタビュー

構成=清田隆之

頭木:実は絶望にもいろんな種類があって、絶望している病人同士でも話が合わないケースが多々あります。「同病相憐れむ」と言いますが、実際は症状も程度も回復具合もそれぞれバラバラで、絶望しているときってものすごく孤独なんですよ。だから、誰かと共感するというのは本当に難しいことなんですね。でも、本ならいくらでも共感できるものを見つけることができます。そして、1回でも心の奥底から共感できるような体験があれば、それだけで救われることがある。ゼロとイチは全然違いますからね。カフカやドストエフスキーは確かに暗い文学ですが、今なお名作として読み継がれているのは、人生にはどうしたって暗い出来事が起こってしまうからです。病気という共通点しかないバラバラの人がそれぞれ深い共感を得られたように、古典文学には人それぞれの読み方を受け止める普遍性が宿っています。現代人は即効性のあるノウハウを求めがちですが……長くて暗い古典文学が絶望に効く薬になることを、頭の片隅に入れておいてもらえたらうれしいです。
(構成=清田隆之)

●プロフィール
頭木弘樹(かしらぎ・ひろき)
筑波大学卒業。文学紹介者。著訳書に、フランツ・カフカ『絶望名人カフカの人生論』編訳・解説、ゲーテ/カフカ『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』編訳・解説、マンガ『マンガで読む絶望名人カフカの人生論』監修(以上全て飛鳥新社)がある。

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