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金子智朗「会計士による会計的でないビジネス教室」

所得2695万円の舛添前知事、年収は3千万以上?誤解だらけの所得と年収の違い

文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

 たとえば年収500万円の場合、給与所得控除額(=みなし必要経費)は154なので、所得は346万円になる。これから生命保険や医療費、住宅ローンなどにかかる経費(損金)が控除されて最終的な所得(=課税対象額)になる。

 あるクレジットカードの申込書に所得を書かせるものがあった。それを見て、私はずいぶんと悩んだことがある。ここまでの話でわかるように、所得は計算しないと簡単にはわからないからだ。クレジットカード会社はそんな情報を本当に欲しいのだろうか。おそらく、そのクレジットカード会社が本当に知りたかったことは年収のはずだ。実際、私の知る限り、他のクレジットカード会社で所得を聞かれたことはない。聞かれるのは決まって年収だ。

 クレジットカード会社は金融業だ。そのような会社が年収と所得を混同しているのは嘆かわしいが、世の中、それほどまでにいい加減な言葉遣いがされているということだ。

 なお、今回の報道は所得で正しい。公表された舛添氏の給与所得2695万円から逆算すると、給与所得控除額は245万円であるので、給与所得控除前の額は2940万円となる。不動産所得と配当所得に要した必要経費がわからないのでそれを無視すれば、舛添氏の年収は最低でも2940万円+360万円+20万円=3320万円だったことになる。
(文=金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表)

金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

金子智朗/公認会計士、ブライトワイズコンサルティング代表

1965年神奈川県生まれ。東京大学工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修士課程卒業。卒業後、日本航空(株)において情報システムの企画・開発に従事。在職中の1996年に公認会計士第2次試験合格。同年プライスウォーターハウスコンサルタント(株)入社。2000年公認会計士登録し、独立。2003税理士登録。2006年ブライトワイズコンサルティング合同会社(www.brightwise.jp)設立、代表社員就任(現任)。
ブライトワイズコンサルティング

Twitter:@TomKaneko

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