2.それぞれのタスクの工数が十分にとられていない
なぜ、プロジェクト計画を策定するときに、タスクの工数が十分にとられていないのだろうか。それは、タスクの高度専門化とメンバーの自分の能力に対する過信があるからである。
エレクトロニクス企業でも金融サービス業でもそうだが、個々のビジネスパーソンが担当する業務は高度専門化し、その担当者は理解できても、マネジャーには理解できない業務が増えてきている。そうすると、マネジャーはその難易度を判断することができない。
そのため、タスクの工数を検討する際に、どのくらいの工数が必要なのかわからないのである。そのような場合、マネジャーの心理として、限られた予算のなか、できる限り遊びをつくらず、ストレッチした工数を設定する。そうすると、実際には処理できないタスクとなり、スケジュールの遅延を発生してしまうのだ。
一方、メンバーからしてみれば、自分のスキルを過少申告しづらいため、どうしてもストレッチした工数を申告することになる。自分の能力を過信しているわけだ。そうすると、結局処理できないタスクとなり、スケジュールの遅延を発生してしまう。
このように、「大手企業の立派な大人たち=パパやママ」も、計画を頓挫させてしまう。だから、全国の小学生も計画策定に苦労するのは当たり前なのである。では、どうすればうまく夏休みの計画を立てられるのだろうか。そこには2つのコツがある。
1.自分の能力を過信するのは仕方がないので、ちょっとチャレンジしてみて、自分の能力を正しく見積もることができるようにする
2.全体を網羅する力はパパやママのほうが優れているので、パパやママに相談する
では、以下に説明していこう。
1.自分の能力を過信するのは、仕方がないので、ちょっとチャレンジしてみて、自分の能力を正しく見積もることができるようにする
小学生に夏休みの計画を立てさせると、スーパーサイヤ人のような超人的な計画を立てることが多い。朝、ラジオ体操に行き、帰ってきたらすぐに朝食を食べ、その後は勉強。昼食を食べ、また勉強。ハードワークで知られる外資系コンサルティング会社や外資系投資銀行も真っ青の凄いハードスケジュールだ。万能感にあふれている。