お客さんが帰った後、同店店長の梶田和宏氏がスタッフに接客のアドバイスをしていた。同氏は九州地区の複数の店の初代店長を務めた経歴を持ち、今回の店長として白羽の矢が立った人物だ。
一番乗りは、昨夜11時から並んだ19歳の学生
開店当日の朝。開店予定時刻の7時を見越して、取材班が5時50分に店を訪れたところ、すでに何人かが店の入口に並んでいた。
「昨夜11時に自宅から自転車で来ました。旅行好きで国内各地に行ったことがあり、コメダは千葉県新浦安店でシロノワールとクリームソーダを食べた経験もあります。今回、地元・白石区に来るので気合いが入り、自転車に折りたたみイスも積んで徹夜したのです」(行列の先頭だった伊藤慶哉さん・19歳学生)
ちなみに2番目の人は同市東区の男性(35歳)、3番目は同白石区の40代と50代の女性2人連れ(会社の同僚)だった。「札幌駅前」や「すすきの」といった繁華街ではないので観光客はおらず、利用客の大半が札幌市民だ。夏休み中で、学校の部活動に行く途中という女子高校生2人組もいた。
行列を見て、営業部門を統括するコメダ専務・駒場雅志氏がお客さんに「7時の開店予定でしたが、早めに開けますのでもう少しお待ちください」と挨拶していた。
すぐに店内では朝礼が行われ、来店客を迎える準備を前倒しした。梶田氏が「店舗ビジョンである『北海道の憩いの場』を目指しましょう」と挨拶した後、駒場氏が「初日ですからミスもあると思います。最後のレジを担当する人が『大変混雑していましたが、何か失礼はございませんでしたか』とひと声かけて、お客さんを気持ちよく送り出してください」と、スタッフをリラックスさせていたのが印象的だった。
6時30分。「おはようございます。いらっしゃいませ」と声をかけて、並んでいたお客さんを招き入れる。予定より30分前倒ししての開店だ。次々に来店するお客さんで、店内の100席(禁煙席78席、喫煙席22席)は満員となった。入れない人は外に並び、行列は最大で60人以上となった。35台収容できる駐車場も満車となり、警備員が誘導を続けた。
来店客の多くが注文したのは、ブレンドコーヒーやアイスコーヒー(ともに税込420円)と無料でつくモーニングセット。ミックスサンド(同580円)やみそカツサンド(同820円)など、フード類の注文に比べて客単価は高くないが、まだ接客に不慣れなアルバイト店員にとって、多種多様なメニューでないのはありがたいかもしれない。