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「文系出身者は就活や会社人生で損」は本当?存在意義つくれなければ、ただの雑用係?

文=日下部貴士/A4studio
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「確かに技術的な面での知識は理系出身者にアドバンテージがあります。ですが、それだけで理系出身者が有利と断言することはできません。仕事においては技術的な知識も必要ですが、対人スキルや思考能力もかなり重要。その点で文系出身者は、社会でうまく人付き合いをしていくスキルを磨けていると考えることもできます。それに対して理系出身者の学生時代は研究で忙しく、社会や人と触れ合う経験が少ない傾向があるため、入社後の人間関係で苦労することもあるようです」

 つまり、必ずしも理系出身者有利というわけではないということか。

大学卒の場合、昇格の面ではむしろ役職が上がりやすいのは文系出身者かもしれません。地方の小さな支店では若手の管理職を設けているところが多かったり、営業で箔をつけさせるために肩書きを付けたりするためです。一方、理系出身者の場合は上に先輩技術者がいるためなかなか昇格しにくいというケースも多いです。ただ、マネージャークラスになれるかどうかは理系・文系関係なく、あくまで個人の能力の差。マネージャーは、意思決定や戦略立案の能力が重視されますからね」

 文系・理系問わず、その人の才能や培ってきた経験によるものが大きいということなのだろう。

対人能力の高い理系出身者が最強?

 しかし、文系出身者と理系出身者は戦うフィールドが初めから違っており、それぞれに求められる能力や役割も異なっているとはいえ、文系学生が安心して胡坐をかいていていいというわけではない。

「たとえばシステム系の会社では、商談の段階で営業力の高い技術者が営業に同行し、詳しい説明を技術者が行うケースがあります。そうなると営業の仕事はお客さんと技術者の日程を調整するだけになってしまいます。理系出身者はもともと高い専門知識を持っているため、もし営業力が兼ね備わっていればかなり有利。しかし、文系出身者の場合は専門知識が理系出身者に劣る分、対人スキルがなければ死活問題になるわけです。

 また、対人能力も高い理系出身者と社内で争っていくとしたら、文系出身者は対人スキル以外にも存在意義をつくり出して仕事をしなければなりません。理系出身者に負けない自分だけのウリを押し出すことができれば、相手が理系だろうと文系だろうと、社内競争で不利になることはないはずです」

 理系出身者に専門知識があって当然なのと同じように、文系出身者にとってコミュニケーション能力はあくまでもあってしかるべき能力ということなのかもしれない。文系出身者たちは理系出身者を見て羨むよりも、自分だけの武器をひたすら磨いていくべきなのではないだろうか。
(文=日下部貴士/A4studio)

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