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だが、海外戦略は頓挫した。15年12月期の連結決算の純利益は前期比37%減の444億円だった。ネット通販の仏プライスミニスターや電子書籍のコボなどの、のれんを減損損失として381億円を計上したことによる。
これまでの拡大路線から一転して海外事業からの撤退を次々と発表した。2月には、タイでネット通販を手掛ける子会社を売却すると表明。インドネシア、シンガポール、マレーシアでは通販サイトを閉鎖し、個人がスマホを使って中古品を販売するフリマサイトに転換する。
英国、スペイン、オーストリアの通販サイトの事業拠点を8月末までに閉鎖し、欧州全体で従業員を100人程度削減する。10カ国・地域以上で展開してきた海外ネット通販事業は米国や台湾など5カ国・地域に縮小する。「20年度に海外比率5割」の達成は絶望的となった。
三木谷氏は都合が悪い情報は開示しない。楽天市場の国内の流通総額の開示を止めたのがその典型例だ。海外事業の業績への貢献度合いも公表しない。情報の継続性よりも、見栄えのほうが重要なのだろう。
だから、当然のことなのだが、三木谷氏の証券市場での評価は低い。
(文=編集部)
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