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また、16年度4~6月の第1四半期における各事業の業績は以下のとおりでした。
これをみると、(2)エネルギーソリューション、(5)ディスプレイデバイスは赤字なのに対し、(1)コンシューマーエレクトロニクス、(3)ビジネスソリューション、(4)電子デバイスは黒字になっているのがわかります。
特にこの新年度の四半期データに注目するならば、全社の営業赤字額2517百万円に対し、エネルギーソリューションとディスプレイデバイスの赤字が、それぞれ6307百万円と10742百万円と全体の赤字額を大きく上回っていることがわかります。
これらのデータをみてシンプルに考えるならば、シャープ再建策として最優先なのは、(2)エネルギーソリューションと(5)ディスプレイデバイスの赤字解消です。そのためには、これらの事業の売却(もしくは閉鎖)も当然にあり得ることです。よって、再建シナリオは以下のようになる可能性が高いといえます。
1.大きな赤字で悩む(2)エネルギーソリューションと(5)ディスプレイデバイスについては、売却(もしくは事業停止)を検討する。事業を継続するのであれば、徹底した合理化を行う。
2.業績の安定しない(1)コンシューマーエレクトロニクス、(4)電子デバイスについては、採算を安定させるためにいっそうの合理化を行う。
3.業績の良好な(3)ビジネスソリューションについては当然、事業を継続させる。
※1と2のシナリオについては、有利な条件で売却できるようであれば、それも視野に置く。
シャープ再建案は10月末に発表される予定ですが、開示されたデータをシンプルに読む限りは、上記内容に近いものが示されると予想されます。
果たして鴻海は、どのようにしてシャープを再建するのでしょうか。
(文=前川修満/公認会計士・税理士、アスト税理士法人代表)
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