ユニーGHDは統合を控え事業の整理を断行
ユニーGHDは8月1日、16年3~5月期の連結決算を発表した。ファミマとの統合に伴い8月29日に上場廃止になったため、ユニーGHDとしての決算発表はこれが最後となった。
売上高にあたる営業収益は、前年同期比で微増の2509億円。コスト削減に取り組み営業利益は88億円とほぼ倍増。スーパーマーケットなど総合小売部門の営業利益は3.6倍の50億円、コンビニ部門の営業利益も25%増の26億円となった。
しかし、最終損益は114億円の赤字(前年同期は26億円の赤字)だった。ファミマとの経営統合で、使わなくなるコンビニの店舗システムの廃棄や収益性の低い店舗の閉鎖などの減損損失を171億円計上したためだ。
ユニーGHDはファミマとの経営統合に向け、事業の整理を進めている。すでにホームセンター事業から撤退したほか、総合スーパーの内部で展開する書店事業も縮小を決めた。総合スーパーのアピタ、ピアゴは全店舗(216店)の1割にあたる25店を閉鎖。コンビニのサークルKとサンクスは全6251店のうち1000店舗を閉める。
子会社でジャスダック上場の婦人衣料専門店チェーン、パレモの売却交渉を投資ファンドのフェニックス・キャピタルと行っている。パレモはユニーGHDが61.6%の株式を保有している。主にユニーGHD関連の店舗に出店し、16年2月期の売上高は273億円、最終損益は3億円の赤字で3期連続の赤字を計上した。不採算事業の整理の一環としてパレモを会社ごと売る。
ユニーGHDとして最後の決算になる16年3~8月期(6カ月)の営業収益は微減の5095億円、営業利益は35%増の139億円を見込んでいる。店舗閉鎖関連損失や収益性の低下した店舗の減損損失、棚卸資産評価損を合計で720億円計上する。
ファミマは経営統合を機に加盟店との契約を全面的に見直す
ファミマは、ユニーGHDとの経営統合に合わせて、コンビニのフランチャイズ(FC)加盟店との契約を全面的に見直した。
全国1万1000店のすべての加盟店と9月1日付で新しい契約を結んだ。ユニーGHD傘下のサークルKサンクスについても、ファミマへの看板の掛け換えに合わせて契約を見直す。
新しい契約では、水道光熱費について、本部が年360万円までの9割を負担する。弁当などの廃棄に伴う損失も月10~30万円未満では10%、30~50万円未満では50%、50万円以上では15%を本部が負担する。
支援策を拡充する原資を確保するため、加盟店から徴収するロイヤリティー(経営指導料)は引き上げる。加盟店が本部に支払うロイヤリティーは1割程度増える。
経営統合によって店舗数は全国で約1万8000店となり、セブンと肩を並べる。契約の見直しで加盟店の運営を手厚く支援することによって、加盟店が弁当などの発注を増やすことを期待、日販は最低1万円の上積みになると見ている。加盟店の売り上げを底上げすることで業界最大手のセブンを追い上げる体制を整える。