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それでも、2015年9月調査の内閣府「消費者行政の推進に関する世論調査」では、「日頃、環境、食品ロス削減、地産地消、被災地の復興、開発途上国の労働者の生活改善など、社会的課題につながることを意識して、商品・サービスを選択しようと思っている」と回答した人は64.3%にも上っている。
また、15年11月調査の消費者庁「消費者意識基本調査」で消費者として心掛けている行動として、「環境に配慮した商品やサービスを選択する」という回答が5割を超えるなど、倫理的消費という言葉やその概念は知らなくとも、実際の消費行動のなかで倫理的な考えを持ちながら消費を行っている人は、意外にも多い。
そして、冒頭の例のように、若い年齢層の人たちが倫理的消費に対して意識の高いことが何よりも大切であり、誇らしくも思う。倫理的消費を通じて社会における人権問題や労働問題、格差問題、あるいは環境問題や不公正な取引といったさまざまな問題に対して関心を持ち、その解決に前向きに取り組むための糸口となることを期待したい。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
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