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トランプ米大統領でも、在日米軍撤退は「あり得ない」…日本経済好況の可能性

文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授
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アベノミクスと一致

 最後に、トランプ新大統領の経済政策が日本に与える影響は、どうだろうか。

 トランプショックが癒えないままでは、まさにトランプ経済効果は日本には最悪のようにも映る。株価は大きく暴落し、また円高が加速した。

 ただ、トランプの経済政策は、実際にはかなり緩和・拡大路線であるように思える。勝利演説では、ケインズ的な機動的財政政策としてインフラ投資を中心に行うと発言している。そして共和党候補としては異例なほど、雇用の創出に力点が置かれている。まるでニューディール政策の表明にも思えた。

 また、金融政策については、トランプ氏のFRB(米連邦政制度理事会)の低金利政策批判が有名になっているが、筆者は深刻な影響はないと考える。なぜなら、先の積極的な財政政策の財源を、トランプ氏は国債の借り換えに求めている。それならば低金利維持、つまり金融緩和は必要条件である。むしろ急速な金利引き上げには、反対するかもしれない。

 さらにいえば、現状のFRBの引き締めスタンスの転換を求めるかもしれない。ここは今後の注目点であり、筆者の読みが当たれば、トランプ政権はむしろ(保護主義志向という点を除けば)日本のアベノミクスと似た積極的な金融政策と財政政策の組み合わせを志向する、欧米の伝統的なリベラル政策に近似するかもしれない。もし仮にトランプ政権がこのようなリフレ政策的なものを採用し、米国経済が好況になれば、それによって世界経済、ひいては日本経済にも益するところ大だろう。

 もちろん、これはひとつの可能性にしかすぎない。現時点をみれば、トランプショックが甚大である。日本政府は、トランプ次期政権がどうするかを傍観視するだけではなく、今まさに積極的な経済政策に動くべきだ。
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

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