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出光創業家代理人・浜田卓二郎氏インタビュー(後編)

出光、昭和シェルとの合併を断念か…創業家代理人が激白、経営陣が必死の裏工作

構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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 一方の出光の月岡社長は、「合併に反対している創業家を説得できる」みたいな言い方をしているわけですよ。全国の販売店の人たちに頼み込んで、手紙を送らせているわけじゃないですか。そんな無駄な話をする前に、もっと熱心にガソリンを売ったらいいじゃないですか、と言いたくなるよね。

原点に戻るべき

――今回は対等合併に問題があるということですが、吸収合併や買収についてはどうですか。あるいは昭和シェル以外の会社との合併には、創業家はどのようなスタンスなのでしょうか。

浜田 相手の会社がどんな会社で、体質的に合うのか、労働組合があるのかないのかとかね。今出光の若い人たちは、昭和シェルの社員と無理矢理研修させられたりして、「同じ人間だ」「案外うまくいくかもよ」などと言っているらしい。そのなかで、労働組合を持たない出光の社員が、組合について昭和シェルに熱心に質問する動きもあるようです。

――昭和シェルとはTOBでも合併でも、創業家としては賛成は難しいということでしょうか。

浜田 やはり創業者の思いとしては、出光の経営がこれまで強く伸びてきた、その原点に戻ってもういっぺんがんばろうよ、と。だから、合併という道を選ばずに、独自でがんばる道を続けようよというのが、願いなのです。

――異業種との資本提携については、いかがでしょうか。

浜田 それは経営戦略としてありえるでしょう。なにも合併しなくたっていいじゃない。今だって子会社がいくつもあるわけで、合弁したっていいわけだし。ただ、対等合併してひとつの会社になるというのは、提携や買収とは全然意味合いが違うのです。古河電工名誉顧問の古河潤之助さんが、「吸収合併ならば検討したが、対等合併ではうまくいくはずはない、というのが自分の社長時代の信念だった」という話をされましたが、私もそうだと思います。
(構成=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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