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NHK次期会長選びで異例事態相次ぐ…内外の強烈な「籾井アレルギー」、再任反対運動先鋭化

文=編集部
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 しかし、リーマン・ショックによる金融危機がトヨタの業績を直撃し、09年同期の最終損益は58年ぶりとなる4369億円の赤字に転落した。業績の急降下に、“トヨタ・ショック”という言葉まで生まれた。その経営責任を問われ、09年6月に創業家の御曹司、豊田章男氏に社長の椅子を譲って、渡辺氏は副会長に退いた。身の丈を超えた拡大路線を突き進んだうえ、09年に1000万台超の販売目標を掲げてブレーキを踏むのが遅れたという、二重の意味での経営責任を問われ、渡辺氏は業績悪化の戦犯と呼ばれた。

 10年4月14日付ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)日本版記事は、トヨタの内紛を報じた。

 記事によると、豊田社長は人を介して、渡辺氏に退任して関連会社の経営に当たるよう提案したが、渡辺氏はこれを拒否。元社長で創業一族ではない奥田碩相談役は、「(このようなことをする)豊田社長は辞めるべきだ」と述べたという。トヨタを世界一の自動車メーカーにした旧経営陣と創業家が真っ向から対立したのである。

 日本のメディアは内紛を報じなかった。最大の広告主であるトヨタとトラブルを起こさないように自主規制するのが、日本の経済ジャーナリズムの動かしがたい現実なのである。これは現在でも同じだ。

 WSJは具体的な社名こそ挙げてはいないが、渡辺氏を豊田自動織機の会長に押し込もうとしていたと示唆。自動織機は豊田家の始祖、“発明王”佐吉氏が起こした会社だが、いかに名門とはいえ、世界のトヨタと比ぶべくもない。渡辺氏はこの降格人事を拒否した。さらに、トヨタが出資する富士重工業の会長への転出説も取り沙汰された。トヨタを世界一の自動車メーカーにしたと自負する渡辺氏にとって、到底容認しがたい人事だったはずだ。

 当時、渡辺氏は日本経団連の副会長を兼務している。「経団連御三家」のひとつと呼ばれるトヨタは、経団連の会長を輩出する財界本流となっており、多額の資金と人を経団連に注ぎ込んできた。

「渡辺さんは、トヨタのトップを極めたのに、子会社に出ることを打診されてから、すっかりやる気を失った」(トヨタ関係者)といわれた。

 トヨタの歴代社長は、病気で退任した人を除けば、会長に昇格するのが慣例だ。張富士夫会長が相談役に退き、渡辺氏が会長に昇格するのが順当と見られていたが、社長として渡辺氏の先輩である張会長は続投。社外に出ることを拒否した渡辺氏は、お役御免とばかりに相談役に飛ばされた。

BusinessJournal編集部

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