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山田修「間違いだらけのビジネス戦略」

大塚家具、広大なフロアに誰もおらず…久美子社長、放逐した父会長時代より業績悪化

文=山田修/ビジネス評論家、経営コンサルタント

 こちらを23日に訪れたのは、同社がアウトレット・リユースをプッシュする販売イベントを22~24の3日間開いていたからだ。3日間の人出は好調で、私が訪れた23日はイベントの2日目にもかかわらず祭日でもあったせいか、午後4時過ぎに駐車場に入るのに難儀したほどだった。リユース大阪の閑散さとは対照的だった。大塚社長も鶴見でのイベントの好調に自信を深めて、冒頭の会見となったのではないか。

リユース事業は線香花火で終わるのか

 私は、上記2つの店舗で店員に「リユースの家具は、どれですか?」と尋ねた。「グリーンの品札のものがそうです」という。9月以降に大塚家具が顧客から買い取ってきたもので、大塚家具以外の家具も対象となっており、新たな購買が課せられることもないという。

 東西の広大なショールームのどちらでも、グリーンの品札が付いた商品は大変少なく、見つけるのに苦労した。多くの商品はオレンジ色の品札、アウトレット品で、大塚家具の各店舗で展示していたものを減額販売しているとのことだ。店員に「『5点限り』などと書いてあるものもありますね」と尋ねると、「アウトレット品販売として新品のものもお売りしています」とのことであった。

 冒頭の会見で大塚社長は、リユース買取りの呼びかけに対して多数の応募、そして買取りがあったと発表したが、そのすべてがこれら2拠点で販売されているわけではないようだ。

 リユース・アウトレット事業を担うのは、リンテリアという子会社だ。もともとは佐野春生社長を含めて6人の会社だったが、事業拡大に伴い41人に増員したという。

「9月、10月の2カ月間で、メンテナンスを終えて供給したリユース品は453点。そのうち、429点に注文があり、短期間で売り切れている状態。今後はもっとメンテナンスのペースを上げて、12月初めまでには2000点を用意したい。いずれは月に平均3000点の供給を目指している」(佐野社長、11月24日付「ITmediaビジネスオンライン」記事より)

 冒頭会見で大塚社長は1万1000点の中古家具を引き取ったと言ったが、店頭に出せたのは2カ月では500点足らずだ。どうも計算が合わない。この数字の差について、大塚家具広報室は次のように説明する。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
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